訪問日 | 訪問地 | 主訪問目的 | |
---|---|---|---|
1 | 1999/10/04-2000/10/03 | Leeds | Leeds 大学で sabbatical |
私は、イギリスに初めて行ったとき英語が聞き取りにくいのには ショックを受けた。とくにバスの運転手の英語はよくわからない。 バスの運転手の英語がきちんと聞き取れる人はエライ。 私が行ったのは北イングランドだったせいもあり、人によっては かなり訛りがきつい。滞在するうちにある程度はわかるようになってきたし、 東北弁のような親しみをおぼえるようにはなってきたが。
方言による語彙の違いは、私にはよくわからないが、発音の違いで 比較的わかりやすいのは、たとえば以下のような点である。
きっちりした英語と、普通の人の英語の違いの割とはっきりした違いは t の音である。きっちりした英語では t は、下を上顎につけてきっちり 破裂させる。とくに語中や語尾でもきっちり発音するところがポイント。 これに対し、とくに若い世代などでは、語中、語尾の t は喉で止める ように発音することが多い。たとえば、later は「レイッア」である。 ちなみに、アメリカ英語では良く知られているように語中、語尾の t は「ラ行」に近くなる。たとえば、later は「レイラ」である。
later といえば、標準で「エイ」の発音が、「アイ」に近くなるのも よく見られる。オーストラリアではこれはかなり有名だが、もともと イギリスが発祥の地である。そのばあい、later は「ライッア」で、 mate は「マイッ」である。Hallo, mate! というイギリス流の 親しい挨拶は「ハラウ、マイッ」とある。なお、標準の「エイ」を 「アイ」に近く発音する場合、標準の「アイ」は「オイ」に近くなる。
田舎では h がサイレントになるのもしばしば聞かれる。フランス語や イタリア語で h を発音しないのと関係があるのだろうか?
私が行っていた北イングランドの特徴と言われるのは、綴り字の u が 文字通り「ウ」と発音されることである。標準英語では軽い「ア」である。 たとえば、upstairs は「ウップステアズ」になる。
しかし、2003 年 11 月に事情が変わったようである。6 か月以上の滞在では 「エントリークリアランス」なるものを 入手する必要が出てきた。これは EU 入国規定が新しくなったことに対応する 措置だそうだ。
詳細は以下のような web sites を参照のこと。
ただし、イギリスは、空き巣と車両の盗難や車両荒らしが先進国中では 極めて多い。ほとんどすべての家に防犯ベルが付いているし、ほとんど すべての自動車では駐車中にハンドルロックを付けている。 ただ、防犯ベルがどの程度役に立っているかは疑問。街中で防犯ベルが 鳴っているのを聞いたことはあるが、人々は平然と歩いていた。 私の知っているイギリス人某学生が、私の滞在期間中に大学寮で 盗難にあった。玄関の錠が比較的簡単に壊せるものだったのが原因。 ゲーム機などが盗まれた。
麻薬は、日本に比べて極めて蔓延している。大学生でも、けっこう 軽いドラッグを試してみたことがあるというのがいて、ショックを受けた。 私にも平然と「ドラッグをやったことがあるか?」と聞かれたので驚いた。
未婚の妊娠がヨーロッパ先進国で最も多いのも特徴。 ビクトリア朝時代のモラルの厳しさはどこへやら、今や自由を 謳歌するあまり、いろいろ問題を生じている。 そういうところは日本と共通する意味もある。
イギリスは、アメリカ同様クレジットカードが普及しており、旅行者には 大変便利である。スーパーマーケットの買い物でもクレジットカードで 支払いをする人が多い。見ているとそこかしこでサインをしている。 ATM も 24 時間営業で数も多い。シティバンクのカードを持っていれば、 レートはあまり良くないが、すぐに現金を引き出すことができる。
台所のシンクには、まず全体にたっぷり水をためる。シンクの中で別の洗い桶を使ったりはしない。 だから、イギリスのシンクは比較的小さめである。これに洗剤を入れて、 洗うべき食器をまとめて沈めて洗う。すすぎはあんまりしないで、そのまま乾かす。
風呂の使い方も同様である。バスタブにお湯を入れて体を沈め、石けんで洗う。 その後シャワーを浴びるとは限らず、バスタオルで泡ごと体を拭く。 だから、バスタブの外に体を洗ったり流したりする場所は必要がない。
[参考文献] 林望「ささいなる文化」 in 「イギリスは愉快だ」(文春文庫 は 14 3)
イギリスの花火と日本の花火の最大の違いは、イギリスの花火は冬に楽しむもので、 日本の花火は夏に楽しむものだということである。イギリスに行って 11 月 5 日の Guy Fawkes Night の花火大会に連れて行ってもらって驚いた。 花火自体は今や日本とそう変わらないが、寒い中で見物するのが大きな違いだ。 Guy Fawkes Night というのは、1605 年 11 月 5 日、Guy Fawkes が、 英国議会の上院議場を爆破しようとして未遂に終わった事件を記念するものである。 その日には、the Guy という人形を燃やして盛大に花火を行う。英国の花火は、 寒さを吹き飛ばすための派手なものというイメージである。なお、「男」を意味する guy という言葉は、この Guy Fawkes から来ているらしい。もっともイギリス人は chap の方を良く使うと思うけど。
あと、イギリスで花火を上げる日は大晦日から新年への年越しである。これは、 最近日本でもやるが。
[参考文献] NHK TV トラッドジャパン 2009 年 7 月号 「花火」 pp.86-117
イギリスではテレビでよく放映されているが、日本でほとんど全く見られないものに snooker と darts という室内ゲームがある。どちらもルールは知らなかったが、 見ていると何となくわかってくる。
snooker は、一見ビリヤードなのだけれど、違うもので、 ルールの解説は Wikipedia 日本語版「スヌーカー」に載っている。 世界選手権などを(だいたいイギリス人ばかりなのに!)放映していた。 私が見ていたときは (2000 年頃)、トッププレーヤーがウェールズ出身だったりして まるで何を言っているか分らない英語を話していたのが印象的だった。
darts は比較的単純だから、見ているとルールがわかる。 点数読み上げの節回しが独特で印象的。これまたルールは Wikipedia 日本語版「ダーツ」に載っている。
[参考文献] 林望「一人の男と彼の犬」 in 「イギリスは愉快だ」(文春文庫 は 14 3)