日本をダメにした九人の政治家

浜田幸一著
講談社
刊行:1993/12/09
名大黒川の古本屋 BOOK OFF で購入
読了日:2002/01/05
浜田幸一は、嫌いな政治家の一人だったので、発売当初は手にも 取らなかった。だが、どこかの書評で評価してあったのを見て、 古本屋で買ってみた。読んでみると、実名で汚職の内幕等が 暴露されており、興味深い。浜田幸一を少し見直した。 本書は、内容に深みがあるわけではないので、読みやすく、 一日で読み終えた。文体の軽さからすると、当然おそらく ゴーストライターが書いたもので、本人が書いたのではないと思う。 とはいえ、内容は、本人が語ったことであろうし、 堂々と実名入りなのだから本当なのだろう。

本書は細川首相時代に書かれたもので、当時問題になっていたのは 自民党の金権体質であった。その金権体質やら腐敗やらを実名で 暴いているのだから、すごいことである。自民党の派閥の領袖から 始まり野党に至るまでこんなに腐敗が進んでいたとは驚きである。 昨今のニュースは不況の話ばかりで、汚職の話題が少なくなったが、 基本的に体質は変わっていないに違いない。ここで批判されている人が、 まだ国会議員を続けているのだから。

ちなみにここで槍玉に上がっている九人は、中曽根康弘、竹下登、 三塚博、宮沢喜一、梶山静六、小沢一郎、田辺誠、宮本顕治、 そして浜田幸一である。むろん、宮本顕治が挙っていることでも分かる通り、 批判されている理由は汚職とは限らない。