無機物だけで生きてゆける細菌
山中健生著
未来の生物科学シリーズ 14、共立出版
刊行:1987/12/25
名大生協にて購入
読了日:2002/10/03
光合成細菌の世界
原島圭二著
未来の生物科学シリーズ 33、共立出版
刊行:1994/05/25
名大生協にて購入
読了日:2002/10/07
以下、山中(1987) を (Y)、原島(1994) を (H) と略す。
最近、仕事上、海底の熱水の生態系やら始原的生物やらの話を聞く機会が
時々あるので、それの基礎的知識を得たいと思って微生物のお勉強をするのに
これらの本を読んだ。同じシリーズのうちの2冊で、比較的薄くて
同系統の本。(T) は独立栄養化学合成細菌、(H) は酸素を発生しない
光合成細菌について書かれており、両方合わせると、独立栄養の細菌
(ただしシアノバクテリアを除く)のおおざっぱな見取り図が描ける。
それぞれ代表的なものにはどういう細菌があってどういうことをしているか
がまとめられている。私のような素人でも一応わかった気になれる程度に
わかりやすく書かれている。
薄くて通読が容易な本であるとはいえ、素人にとっては、細菌の名前やら
化学物質の名前やらがいろいろでてくるので、多少ノートを取りながら
読まないと混乱してしまう。とくに硫黄を使う細菌は、硫黄を還元するのが
あったり酸化するのがあったりするので、ある程度自分で整理してみないと
訳が分からなくなる。私は少しノートを取りながら読んだので、だいたい
わかった気がした。
(H) の6章は著者の仕事にかかわる好気的光合成細菌の話。ここだけ
研究の進んだ順番に書いてあって、力が入っているようであるが、
反面ごちゃごちゃしていてわかりにくい(もっともまだ結論のないこと
のようで、整理もしづらいもののようではあるが)。