バイカル湖
古代湖のフィールドサイエンス
森野浩・宮崎信之編
東京大学出版会
刊行:1994/08/26
著者の一人 K 先生より著者割引で購入
読了日:2003/07/31
バイカル湖に行くときの予習用として読んだ。
あとがきには大学教養課程向けと書いてあるが、そのような配慮は
あまり感じられない。全体的には羅列的で、バイカル湖に
行くとか、何らかの関わりを持つとかいう人でなければ、
全体を読み通すのは辛いであろう。丁寧に読もうとすると
分かりにくいところも多い。
細かく読まず、全体的にどんなことが書いてあるか
軽く斜め読みしてゆくのが良さそうである。
そうすると、全体の雰囲気がわかるし、バイカル湖がどんな湖で
どんな研究がなされているのかの様子が分かる。
以下、読んだときに私的メモとして取っておいたもの。
BICER (Baikal International Center for Ecological Research
バイカル国際生態学センター) の歩み
- 1988年11月 旧ソ連邦科学アカデミーが BICER 開設を決定
- 1990年 5月 旧ソ連邦政府が BICER 開設を承認
- 1990年12月 国際会議で BICER 開設を宣言
- 1991年 3月 日本 BICER 協議会設立
- 1991年 8月 旧ソ連邦解体
- 1991年12月 BICER 正式発足(設立運営委員会には
ロシア、アメリカ、ベルギー、日本、イギリスが参加)
- 1992年12月 BICER 設立運営委員会にスイスが参加
バイカル湖の岸
- 西岸:断層で切り立っている。三角末端面が続く。
草地(ステップ)や砂礫地が多い
- 東岸:セレンガ・デルタなど流入河川の三角州があり比較的緩やか。
森林(タイガ)に覆われている。
バイカル湖と河川
- 流入河川:セレンガ川が最大。その他小さい川が多数。
- 流出河川:アンガラ川のみ。
バイカル湖内の循環
- 平均滞留時間は 330 年程度。詳しく言えば、北湖盆で 500 年、
中央湖盆で 250 年、南湖盆で 80 年くらいである。
- 表層の循環は主に風成循環である。
- バイカルでは、年に2度、表面温度が4℃くらいになるときがあって、
そのときに鉛直混合が起こる。
深層の入れ替わり年数は 10 年程度と意外に小さい。
- 詳細は分かっていないことも多い。