取り上げられているのは、ほとんどが連続殺人犯、大量殺人犯で、 後ろの解説にある通り、日本では稀なタイプの犯罪である。 そのような犯人にはどのような特徴があるかが記述されている。 犠牲者が白人であるときは、若い白人男性が多いようで、 この本で扱われているのはほとんどそういう場合である。 これらの凶悪犯は、子供の時に家庭に問題があった場合が多く、 残虐な空想がだんだんと大きくなって殺人に到るそうである。 犯人の種類は、大きく言えば、秩序型と無秩序型に分類されるそうだ。 それらの混合型もある。秩序型は、計画的で、偽装工作も行う。 無秩序型は、計画性がなく、殺し方に脈絡がなく、証拠を多く残している。 それぞれの型の犯罪者の心理が説明されている。
この本で興味深いのは、これらの犯人に対する処遇に関する著者の考えだ。 著者は、こういった犯罪者を死刑にすることには反対している。 それは、犯罪抑止に役に立たないし、むしろ犯罪者の心理を詳しく調べることが 有益であるからだ。一方で、社会復帰にも反対している。 それは、犯罪者の精神状態を矯正することが非常に困難であるからだ。