この化学の特集で一番興味深かったのは、「田中耕一氏の 第一報を読む(山岡寛史)」ということで、田中氏の原論文を解説付きで 抄録している点だ。こういうのが一般のマスコミと違う良い点である。 おかげで私のような素人にも田中氏の業績が生に近い形でだいたいわかって 良かった。もっとも、私のような素人としては、本当はこれよりさらに 懇切丁寧な解説が欲しいのではあるが。
あとこの特集で知ったのは、田中氏のこの業績が日本で全く 評価されていなかったのでもなくて、すでに日本質量分析学会の 奨励賞を獲得していた、ということだ。とくに発表の2年後くらいに そのような評価がされていたということは、日本でもちゃんと見る目の ある人がいたんだなあということで、喜ばしいことである。