日本のタブー

噂の眞相 1 月別冊、噂の眞相
刊行:2004/01/01(実際は 2003/12)
名大生協で購入
読了日:2003/12/31
スキャンダル系雑誌として夙に有名な「噂の眞相」が間もなく 休刊するに当たって出した特集号。これまでのまとめのような記事と、 これまで雑誌に載った中からピックアップされた記事とで構成されている。

「噂の眞相」で最近感心しているのは、北朝鮮の拉致問題と イラク自衛隊派遣問題での姿勢である。ここでも、その問題が トップ近くで扱われている。拉致問題に関しては、最近どのマスコミも 「救う会」「家族会」を批判しない空気が蔓延しているのに抗して、 あえて両団体の背景や姿勢を問題にしている。私も最近の 北朝鮮報道に問題を感じるので、「噂の眞相」の姿勢は良いと思っている。 むろん北朝鮮の体制は問題だらけだが、最近のマスコミ報道には それ以上の分析がない。イラクの問題に関しても、「噂の眞相」は 天木前レバノン大使を引張り出して、対米盲従の外務省を批判している のが良い。近年のマスコミの外務省批判は、(「噂の眞相」も含めて) スキャンダル系に偏りすぎていたように思う。本来の問題は 対米盲従のようなことにあるので、天木氏を出したのは正解だと思う。

しかしまあ、一般的に言えば、スキャンダル系ということでは、 やりすぎと思うことも多いし、信憑性がどのくらいか 良く分からないところも多い。だから私は適当に距離を置いて 見ようとは思っている。またスキャンダルばかり問題にしすぎると、 本質的な問題がどこかに行ってしまうことも多いので、 その危険も頭に置いておかないといけない。

とはいえ、世の中にはこんなにも一般マスコミがタブーにして いることがあるのかということを認識させてくれている点では、 「噂の眞相」の功績は大である。