地球生命圏 ガイアの科学

Jim E. Lovelock 著、スワミ・ブレム・ブラブッタ(星川淳)訳
原題:Gaia -- A new look at life on Earth
工作舎
刊行:1984/10/15
原著刊行:1979, Oxford University Press
名古屋栄の丸善での古本市で購入
読了日:2004/06/18
一昔前に流行となった「ガイア」仮説が提唱されている本。 地球表層のさまざまな環境要因は、生命活動自身が調整しているということを提唱している。 春に読み始めて、いったん紛れて2ヶ月くらい中断して残りを読んだので、 以下ちょっと感想が不統一なところもある。

いろいろな発見があって、面白い本である。人間はどの程度までガイアの一部であるのか? 各種の環境調整プロセスにどの程度まで生物が関わっているのか?など、いろいろと考えさせられる。 ただし、もともとが 1979 年出版の本なので、今から見ると、ちょっと描かれている調子が古いかな、 という感じもするところがある。ひとつの要因は、ガイア仮説のおかげではあるのだが、現在では 生命活動の環境要因に与える重要性がかなりあたりまえに認識されるようになってしまっていることである。 別の面としては、ガイア仮説を強調するあまり、無生物的な要因が重要な過程でも 生物的な要因が強調されすぎているきらいがある感じがする(もっともそういうことを 考えすぎると中途半端な本になっていただろうから、これはこれだからこそ立派なのであるが)。

翻訳は、最後にメモしたように多少の問題はあるが、気になるほどのものではなく、 大きな問題はない。訳者あとがきを見ると、訳者はもっと地球の繊細さを強調したものを 期待していたようで、Lovelock がけっこうドライなのに御不満の様子である。 私はこのくらいドライなのが良いと思うのだが。


サマリー

では、最初から私の感想を添えてサマリーを書いてゆく。
第1章 序章
1 火星の生命探査計画にはじまる
著者が火星探査にアドバイザとして加わったことが、この問題を考えるきっかけだった。 [吉田感想: 実はこの書き出しの部分が私には必ずしもしっくりこない意味がある。そこでは、生命の本質について 生物学の浩瀚な書物が何も答えてくれないことに失望したと書いてあるが、私の感覚では 答えてくれないのは当たり前(そこまで科学が進んでいないという認識)なので、 ちょっと違和感を感じた。]
2 地球生命への新たな視座
地球の大気組成は、地球の生命によって作られていることが著者らによって初めて認識された。 たとえば、メタンと酸素が共存することである。生物がいなければ、太陽光線の下で すみやかに反応して二酸化炭素と水蒸気になってしまう。また窒素も、生物がいなければ、 硝酸イオンとして海に溶けているべきだろう。 [吉田感想:惑星の大気の組成を見ると生物がいることがわかる、 という発想は啓発的だった。講義でも使えるな、と思った。]
3 ガイア仮説の誕生
そうして 1967 年にガイア仮説が誕生した。地球の気候や化学特性は、生命圏がコントロールしている。 以後、リン・マーギュリスらとの協力により、ガイア仮説が発展した。
第2章 大初(はじめ)に
1 苛酷な環境下での生命の出発
生命が誕生した初期地球は、放射線や紫外線に今よりずっと大量に曝されていた。 太陽系の形成には超新星爆発が関係していたようで、初期には不安定核種が今より多かった。 大気には酸素やオゾンがなかったから、太陽からの紫外線が地表に降り注いでいた。 放射線や紫外線は、生物にとって害ではあるが、生命の誕生には有益だったかもしれない。
2 生命活動と大気の循環
酸化還元状態と pH は環境要因として重要である。生命が誕生したころの大気はある程度 還元的であっただろう。なぜなら、酸化的大気のものとでは有機分子ができないからである。 [吉田注:初期大気状態は定説が二転三転する微妙なところである。] 数十億年前には 太陽は現在よりも30パーセント暗かった。にもかかわらず、地球上で数十億年間にわたって、 生命が生きてゆける気温が保たれたのには、生命自身のはたらきで温室効果ガスやアルベドが 調整されたためであろう。これがガイアのひとつのあらわれである。 [吉田注:この faint young sun paradox に対しては、無機的な風化過程を重視する人もいて、必ずしも生物過程が最重要かどうか わからない。]
3 生命圏による環境調整
生命圏は、温度だけでなく自分が必要とする微量元素の量を自分で調整する機能を持っているのだろう。 たとえば、現在生命圏が生産するアンモニアの量は、自然にできる硫酸や硝酸を中和する量に非常に近い。 このようにして地球表層の pH がほぼ中性近くに保たれている。
4 嫌気性の世界と危機の克服
地球の大気に最初は酸素がなかったが、20 億年位前までには地表の物質は酸化され尽くし、 空気中に酸素が出来てくるようになった。これは、惑星史上最悪の大気汚染だったろう。 しかし、どうにかうまい適応がなされた。
第3章 ガイアの認知
1 ガイアの仕事と偶然の産物のちがい
世の中の存在形態にはいくつか考えられる。今は3つを考えてみよう。 (1) 完全な平衡の不活性状態 (2) 安定状態 (生物はいないけれど、常に太陽や地中からのエネルギー供給はある世界) (3) ガイアの状態。 今の課題は、(3) のガイアを見出すにはどうしたら良いか?ということである。 ガイアの状態は、エントロピーが低く、ふつうにはありえないような状態である。 そのふつうにはありえないことを認識することが大切である。
2 平衡世界と生命なき安定状態
熱力学的な平衡状態で大気や海洋の組成がどうなるか考えてみる。すると、空気はほとんど 二酸化炭素になり、海洋は非常に塩からくなることがわかる (水 63 %、塩 35 %、硝酸ナトリウム 1.7 %)。こういう地球は、エネルギー流入が無いし、 エントロピーが最大になっているから、何も起こらない。 平衡ではないが、生命がない安定状態になると、いろいろなことが起こる。しかし、 大気はやはり二酸化炭素になるだろう。
3 生きている世界
現実の地球に酸素がこれだけあるのは、生命のおかげである。一方で、酸素がもっと多いと 世界中で火災が起こる。こういった意味深長な非平衡が、ガイアの存在を示す。
4 ガイアの死についての思考実験
地球上の生命を全滅させるシナリオを考えてみよう。オゾン層を消したくらいでは、 地中や海底の生物が生き残るだろう。核兵器を使っても、生き残る生物はかなりいるだろう。
5 SF「ネッシン博士の異常な愛情」
ネッシン博士はリンを効率よく集める新種のバクテリアを発見し、食用作物と共生できるように 改良した。しかし、そのバクテリアは意図と違ってアオミドロと共生し、異常増殖し、他の生物を 滅ぼし、自分自身も滅びた。そうするとどうなるだろう?一つのシナリオとしては、石灰岩の 風化で二酸化炭素が増え、暴走温室状態になる。海は蒸発し、水蒸気は水素と酸素に分解する。 水素は宇宙空間に逃げ、大気の窒素は全部酸化される。結果的に、大気は二酸化炭素主体になる。 別のシナリオでは、全球凍結が起こる。大気はやはり二酸化炭素主体になる。言いたいことは、 ガイアがなければ、安定状態に行き着くということだ。
第4章 サイバネティックス
1 直立作業のサイバネティックス
サイバネティック機能とは、たとえば人間が直立する機能のように、 あるべき状態と現実を絶えず比較し修正を加えることで、ある状態を保つはたらきだ。
2 直線論理から循環論理へ
サイバネティック・システムは、個々の構成部分を取ってみても、全体のはたらきについて 何の理解も得られない。たとえば、温度調節付きのオーブンを考えてみよう。それらは、 電源、箱、電熱器、サーモスタット、サーモスタットが操作するスイッチなどから構成されているが、 それらのひとつひとつだけからは全体のはたらきがわからない。全部合わせて初めて理解ができる。
3 体温調節とホメオスタシス
人間の体温調節には複数のプロセスが用いられている。一般に、生物においてこのように安定状態が 維持されるメカニズムをホメオスタシスと呼ぶ。
4 ガイアの自動制御システム
ガイアにおいても、温度や化学成分の調節機能があるにちがいない。そのシステムを解明する方法として、 小さな擾乱をシステムに与えてみるというものがある。
5 正と負のフィードバック
工学用語に正と負のフィードバックということばがある。フィードバックが働いているということが、 制御がかかっているということである。
6 情報と自由エネルギー
センサーからフィードバックされてくるものは情報である。また、情報は記憶され、学習が行われる。 以上、本章で紹介した概念は、ガイアを探すための道しるべになる。
第5章 現在の大気圏
1 宇宙空間からの地球像
地球の大気はけっしてありきたりのものではない。
2 大気圏の組成
大気中ではさまざまの反応が起こっている。大気の組成はまったく平衡から外れており、 うまく生命にとって好ましい条件となっている。
3 酸素と生命圏
酸素は生物活動のエネルギー源である。酸素が作られるのは、炭素が堆積物中に埋没することによる。 また、酸素は還元的火山ガスなどの酸化によって消費される。現在の酸素レベルは、これ以上増えると 火災の危険が激増し、減ると生産性が下がるという均衡点にある。
4 メタンの機能
微生物によって、年間10億トンを超えるメタンが生産されている。これは、酸化されることによって、 酸素濃度を現在のレベルに落ち着ける調節機能を果たしていると考えられる。
5 亜酸化窒素とアンモニア
亜酸化窒素は、微生物によって年間1−3億トン作られている。その役割としては、 酸素濃度の調節や成層圏オゾン量の調節などが考えられる(酸化窒素はオゾンを破壊する。 オゾンは多すぎても良くないのかもしれない)。アンモニアの生産量は、年間10億トンを超える。 その役割は、環境の酸性度を下げることだろう。
6 窒素ガスと微量ガス
窒素の安定形態が硝酸であるにもかかわらず、大気中に窒素がたくさんある。その役割として考えられることを 3つ挙げる: (1) 大気に適当な圧力を与える。 (2) 反応速度が遅いから、酸素を薄めるのに適している。 (3) 硝酸が多ければ、海の塩濃度が上がってしまうので、これを避ける。
大気中の微量ガスも忘れてはならない。
7 二酸化炭素と水蒸気
大気の二酸化炭素は海洋と平衡にある。ということは濃度を決めているのは、単なる化学平衡である。 ガイアの役割は、平衡に達する速さを大きくすることにあるのだろう。
水も生命と深いかかわりを保っている。
第6章 海
1 <水球>としてのガイア
海洋は生命発生以来35億年にわたって安定なようである。
2 海はなぜ塩からいのか
海の塩分が河川からの流入によって蓄積し続けたとすると、現在の塩分濃度になるのに 8千万年しかかからない。地下から来る塩分を付け加えると6千万年だ。一方で、 塩分濃度は地球史にわたってそう変わらなかった証拠があるから、どこかにシンクがあるはずだ。
3 生きた細胞と塩分
通常の生物は塩分が6%を超えると、細胞が壊れて死んでしまう。 また、塩分は巨大分子間の引力を遮蔽効果でコントロールする。塩分濃度が高すぎると、 遮蔽効果が大きすぎて、分子間相互作用を阻害するだろうし、塩分濃度が低すぎると、 遮蔽効果が小さすぎて、分子同士が離れなくなってしまうだろう。
4 海はなぜもっと塩からくないのか
先に述べたように、海への塩分供給は十分にあるので、正しい問いは「塩分の sink は何か?」だ。 一つの可能性は、蒸発岩の形成だが、それが無機的に起こったのだとすると、 塩分濃度が偶然6%を超えることがあっても全然不思議ではない。 [吉田注:p.171 で、「負電荷をもつアルミニウムイオンやシリコンのイオン」 とあるのが何を指しているか不明。]
5 ガイアの塩分コントロール
海洋中のシリカは、シリカの殻を作る珪藻や放散虫がコントロールしている。同様に、 塩分濃度も生物がコントロールしているのではないだろうか。一つの仮説は、蒸発残留岩を 作る場所になる潟を生物が作るということである。とはいえ、いまだ推測の域を越えない。
6 硫黄収支の謎を追う
1970 年に先立つ数年前から、硫黄収支が問題になっていた。河川を通じて海へ流入する 硫黄の源が、判明している分では不足するのである。そこで、1971 年以来、著者らは そのミッシングリンクの研究を行い、硫化ジメチルが海から陸へ運ばれることがその原因だ という確信を得ている。硫化ジメチルを作るのは、沿岸域の藻類の Polysiphonia fastigiata などである。この研究の副産物として、ハロカーボン・ガスの検出も行った。これは、 現在のフロン問題の端緒となった。
7 海洋開発の前に
われわれは海における生命圏の役割をまだあまり知らない。 海洋開発は十分に慎重に行わなければならない。
第7章 ガイアと人間―汚染問題
1 「昔はよかった」の呪縛を超えて
人間のテクノロジーを単純に呪うのは誤りである。たとえば、自然は多くの毒物を生み出している。
2 自然界の汚染物質
汚染は自然なものだという考え方も成り立つ。たとえば、酸素の大気混入事件がそうだ。 遊離酸素は嫌気性生物にとって毒であった。現代の例としては、一酸化炭素は有毒だが、 人類が排出しなくても、ある程度の量はメタンガスの酸化で自然に作られる。
3 地球と生命を脅かすもの
人類による最大の生態学的混乱は、北半球温帯の都市部で起こっていると思われやすい。 しかし、冷静に考えると、砂漠化などのほうがもっと深刻で、それは新しいテクノロジーのせいではなく、 原始的なテクノロジーの農業によるものである。産業による変化で重大なのは、 C, N, S などのサイクルを大きく変えたことだ。また、われわれは微生物に対する影響に もっと注意を払わないといけない。
4 オゾンを消衰させるもの
各種人造化学物質を警戒するのは必要だが、しかしかといって過敏になってもいけない。 たとえば、オゾンを減少させる物質である亜酸化窒素や塩化メチルは、人間が放出しなくても、 自然に放出されている。量の問題を冷静に考えないといけない。
5 ガイアと調和するテクノロジー
テクノロジーに対する反動として、「自然に帰れ」というのは良くない。テクノロジーが 高度であることと、環境や資源に対する負荷が高いこととは相関がないのである。 ものごとが単純でないことを理解すべきだ。たとえば、ヨウ化メチルは毒物だが、 コンブ属が自然に生成し、甲状腺ホルモンの生成にとって必要ですらある。
6 海洋農場の危険性
海洋農場計画には未知の危険性が多いので慎重にすべきだ。たとえば、 ケルプ類を大規模に栽培するとして、他の生物を駆逐するなら、その影響が どういう範囲に及ぶのか予想もつかない。
7 全地球的な目くばりを
熱帯では幼稚な農法により、生態系が大きなダメージを受けている。悪は都市化工業化 だけではない。一番問題なのは、この増加を続ける人口を地球が養い続けることができるかどうかだ。 「唯一の汚染…それは人間なり」
第8章 ガイアのなかに生きる
1 人間中心の生態学(エコロジー)を超えて
生態学は、結局人間と環境との相互作用を問題にしがちだ。それに対し、ガイア仮説は 地球全体を問題にする。そのため、登場する生命の中心は、微生物である。
2 ガイアの制御プロセス
ガイアの特性の重要なものは以下の3点である。(1) ガイアは地球上の諸条件を生命にとって 最適化する。人間活動もそこに組み込まれることになる。(2) ガイアにとって重要なのは、 北緯 45 度と南緯 45 度の間である。ここの部分でガイアにダメージを与えないことが 肝要である。(3) ガイアの反応では、時定数とループ・ゲインが重要な因子である。
3 ガイアの健康を保つために
われわれ人類の将来を良いものにするために、ガイアの働きを良く知る必要がある。 人間が多少のことをしてもガイアはそれなりにうまく適応してくれるだろうが、 どこまで行ったらガイアの許容範囲を超える事になるのかはわからない。
4 人間の歴史と全地球的環境
人類は、原始時代から環境を改変してきた。たとえば、森に火を放ち狩をすることで 森を草原にするようなことだ。人間と環境との関係に関する知恵を蓄積する必要があるのだが、 近年都市生活者が増えるにつれ、そのような知恵がしまい込まれるようになってきている。
5 都会の科学者によるモデル操作の限界
近年ではコンピュータモデルが発達してきた。しかし、そういうモデルの製作者は 都会の住人であるので、現実と乖離した妄想が作られるのではないかと懸念している。
6 オルタナティヴ・テクノロジーの可能性
われわれには、テクノロジーから離れて自然に帰るという可能性はない。われわれは テクノロジーに依存していることを素直に認めたうえで、環境や資源に対して負荷の少ない 方法を選ぶようにするべきだ。
第9章 エピローグ
1 思考・感情とガイア
環境や自然に対する美的感覚のようなもののガイアの一部分かもしれない。
2 パートナーの一員としての人間
自然を人間が保護するとか管理するとかいうような考え方は破綻する。 ガイアの見地からすると、ガイアは、人間をその一部として、あるいはパートナーとして 含むのである。
3 ガイアと知性
知性もガイアの一部かもしれない。たとえば、小惑星が地球と衝突するのを人間が防いだとしたら、 知性がガイアを守ったといえるのではないだろうか? [吉田感想:たまには隕石衝突もあったほうが、生物進化に益だという 考え方もありうるように思うので、何が良いことかの判断は難しい。ただ、善悪の判断は別として、 そのような行為がガイアの一部とみなされうる、ということかもしれない。]
4 われわれの中のガイアのめざめ
ガイアは人間を通して自分自身の姿を知るようになった。同様に鯨の脳もガイアから 類似の天命を授かっているのかもしれない。

訳の問題点

和訳で気付いた点(誤訳やこなれていない訳)を挙げておく(むろん丁寧に調べたわけでは ないので、全体の一部である。後半部が多いのは、前半部を読んだときにはわざわざ英文を チェックしなかったことによる。)

以下の英語原文とそのページ番号は、J.E. Lovelock (1979) Gaia -- A New Look at Life on Earth, Oxford University Press の 1982 版 paperback による。

本書ページ(英文ページ)本書和訳英語原文吉田私訳
173(94) クリル krill オキアミ
212(119) 自然のエアロゾル推進ガスに相当する the natural equivalent of the aerosol-propellant gases スプレー噴霧用ガス(フロン)と似た役割をする自然界に存在する気体
231(129) ただし、間氷期の氷と永久凍結地帯による現在の欠損率は、これよりはいくぶん低い although her present losses are somewhat less, since in between glaciations there are still regions of ice and permafrost. とはいえ、彼女(ガイア)が現在失っている割合はそれ (30%) よりもいくぶん低い。 というのも、間氷期においても氷や永久凍土で覆われた地域があるからである (その部分は、現在人間活動で失われているわけではなくて、 もともとガイアに関与していない)。
234(131) 全システムのエネルギー転移(太陽エネルギーその他) the transfer of solar and other energy throughout the entire system 太陽エネルギーやその他のエネルギーのシステム全体に広がる受け渡し
257(143) あらゆる見通しが明るいとき、ガイアのパートナーとしてのみずからの役割を 受け入れた人間は、下劣な存在である必要がなくなる。 Where every prospect pleases, and man, accepting his role as a partner in Gaia, need not be vile. あらゆる風物が心地良いとき、人間も自らがガイアのパートナーであることを自覚していれば、 卑しいということはあるはずもない。
[注釈:この文はもともと、英国がインドを植民地にしていた時代にスリランカについて レジランド・ヒーバー主教 (Bishop Regiland Heber) が書いた聖歌 (hymn) の一節
Where every prospect pleases, and only man is vile
よろこばしき よろずのなかに 卑しきはただ人間のみ
を下敷きにしている。この一節は、当時の英国人が植民地の人々を侮蔑している様子が 良く現れているとして有名らしい (訳文引用元: @BODDO 大アジア思想活劇 第四章)]