NHK 知るを楽しむ(木) 日本語なるほど塾 2005 年 8/9 月

林えり子「イキで勝負!東京ことば」

藤木勇人「沖縄ことばチャンプルー」

日本放送出版協会
刊行:2005/08/01
名大生協で購入
読了:2005/09/30
「イキで勝負!東京ことば」は、東京ことばとは何か?その面白さをいろいろ語ったもの。キーワードは「いき」である。 東京ことばと言うと、標準語かといえばそうでもない。消え行く方言のひとつであることがわかる。 標準語は、教養ある東京人の言葉から派生したもので、それ以外の階層の言葉は方言である。 でも、文学作品や落語や時代劇などに残されているから、聞いて全然わからないというほどのものではない。 何度か取り上げられてい文学作品は、岡本綺堂の「半七捕物帳」や幸田文が父の露伴のことを書いたものなどだ。

「沖縄ことばチャンプルー」は藤木勇人氏による沖縄言葉の紹介。第1回は、沖縄言葉が周辺のさまざまの 言葉の影響を受けて作られたものであるという話。たとえば、アメリカ占領の影響で「ビーチパーリー (beach party)」、 「アイスワーラー (ice water)」が沖縄の普通の言葉になってしまったとか、「チャンプルー」がもともと インドネシア語だとか。第2回は「オバァ」と「命(ぬち)どぅ宝」をキーワードに伝統や古い知恵を大事にする 沖縄が語られる。第3回は沖縄言葉のおおらかさ。藤木氏の三大無責任言葉「だからよぉ」「であるわけさぁ」 「なんでかねぇ」の紹介がおもしろい。自分の責任を認めながらはぐらかすようなことばだそうである。そして そのトドメが「拝(ウガ)ン不足(ブスク)ヤンデー」(直訳:お祈り不足なんじゃないの)で、不幸を 人間でないもののせいにしてしまうわけだ。第4回は沖縄言葉の雰囲気の練習。沖縄では、 「ゴーヤ」は正しくなく「ゴーヤー」が正しいのだそうな。

金田一秀穂のミニコーナーときどきハッとすることを言うので面白い。9/8 の回では、1日=24時間だけど 「1日おき」と「24時間おき」が違うということを指摘していた。1日は塊として数えるので、1日おきでは 月曜日の次は水曜日となる。24時間は長さとして感じるので、24時間おきでは月曜日の次は火曜日になる。 塊か長さかの境目は3か4くらいだそうだ。「3年おき」は?「4年おきは」?