ゴキブリだもん〜美しきゴキブリの世界〜

鈴木知之著
幻冬舎コミックス
刊行:2005/03/31
名古屋栄の旭屋書店ラシック店で購入
読了日:2005/08/05

様々の種類のゴキブリを美しい写真で見せつつ、ゴキブリの基本的な特徴も 説明してある本。私は、ゴキブリというのが、記載されているだけでも 4000 種という大きな分類群(ゴキブリ目)であることをこの本で初めて知った。 この本で紹介されているのは、その中の (わずか?)107 種である。 こんなにたくさんの種がいるといっても多くは熱帯種で、東京周辺にいるのは わずかに野生種が 4 種で、屋内に住んでいるいわゆるおなじみのゴキブリを 含めて 7 種だそうである。どうりでゴキブリを少ししか知らないわけである。 しかも、その屋内に住むゴキブリのほとんどは熱帯・亜熱帯原産の外来種だそうだ。 これだけでもゴキブリに対する印象がだいぶん変わってしまった。

写真は、そういうわけで熱帯〜亜熱帯の森で撮られたものが多い。 おなじみの飴色〜黒の地味な色をしているものが多いが、そうでないもの もけっこうあって、良くみると千差万別で美しいものだということがわかった。

ところで、以下のような里山管理に関する話が載っていて、そういうものかと認識を 新たにした。里山管理と称して、落ち葉や倒木が掃除される。そうすると、 林が乾燥してカタツムリも昆虫も減ってしまう。そのなかにオオゴキブリも 入っている。オオゴキブリは朽ち木に住んで朽ち木を食べる。つまり、 森の掃除屋である。だから、人間が掃除してくれたのでは 棲処が無くなってしまうのである。

ゴキブリを食べる話や飼う話が載っているのもいかにもこういう本らしい 読み所である。食用としては独特の臭いがあって、食べてみたところ まずかったらしい。かき揚げならば一応食べられるのだそうだ。 飼うのは、多くが熱帯産ということだけあって、温度管理はちゃんとしないと いけないらしい(とても私では無理である)。湿度もある程度 管理しないといけない。