本が書かれた当時は、ロン・ヤス外交で日米関係が最も良いなどと言われたり、 「ジャパン・アズ・ナンバーワン」(1979) が書かれたりしていたときで、 いわば、日本が有頂天になっていたときであった。 しかし、この本が的確に指摘しているように、中曽根外交などというのは お粗末極まり無いものであった。バブル景気の原因もここにあるし、 日本の半導体産業が凋落する一因もここにあった。 20年経ってみると、中曽根外交のお粗末さがはっきりしていて、 霍見氏の分析が正しく、多くのマスコミや評論家が誤っていたことがよくわかる。 その割に、いまだに中曽根元首相を持ち上げるマスコミが多いのは信じがたい。 日米関係が良いとされる時代は将来に禍根を残すであろうということは、 現在の小泉外交も同じである。
第8章に出ている「日本の六大悲劇」の状態はあまり改善されていない。 それを書いておくと