運慶と快慶 肉体を彫る

小学館ウイークリーブック週刊日本の美をめぐる19、小学館
刊行:2002/09/10
岡崎市美術博物館で行われた興福寺国宝展会場で購入
読了日:2005/02/20
岡崎で興福寺国宝展をやっていたので見に行った。 そこでどーんと最初に展示してあった運慶の 無著(むちゃく)・世親(せしん)立像に圧倒的な存在感を感じて、記念に買った。 無著(むちゃく)・世親(せしん)はインドの兄弟の僧で、着物も法衣で飾りが あるわけでもなく威圧的な表情をしているわけでもない。しかし、その写実的な (といってもインド人の顔ではなく日本人の顔だが)表情や衣の襞などで 緊張した空間を作り出している。この本でも最初の方でどーんと大きく 紹介されている。

この本で紹介されている八大童子立像にも一昨年の 「空海と高野山」という展覧会でお目にかかった。そこでも 童子像が強く存在感を主張していたように記憶している。

運慶の造形には、単に迫真の肉体表現という次元を越えて高い精神性が宿っている。