(1) アメリカでは、コミュニケーション技術が社会的にも 重要視されていることが記されている。大学では(場合によっては中高でも) 必ず技術コミュニケーションのプログラムが提供されているとのこと。 翻って日本では、実質的には大学院にならないとこのような技術を教わらない。
(2) 受動態と能動態の使い分けが、前後関係で自然に決まることが書かれている。 既知の情報から未知の情報へという順序が守られるように書けば良い (第 2 部 2.1)。ビジネスなどでは、好感を与えるための工夫として使い分ける (第 2 部 3.2, 3.3)。
(3) 相手に失礼にならないようにするためのテクニックがいろいろ書かれている (第 2 部 3.1-3)。そこに書かれているように、日本の英語教育では social English を教えない。私も大学院生の頃にぶっきらぼうな文章を書いて 恩師から注意されたことを思い出す。俗に、英語ではものをストレートに 言うというのは誤りである。当然相手を傷付けないようにたいへん気を遣うのである。 気の遣い方が、日本では自らが一歩引くことが重視されるのに対し、 欧米では気持の良いポジティブな印象を与えることが重視されるというふうに 違っているに過ぎない。一歩下がって頭を下げる文化と、 一歩進んで肩をたたく文化の違いとでも言おうか。
(4) corpus の作り方、使い方が書いてある (付録 C.1)。