姫路城の歴史の記述もある。長すぎも短すぎもなく、観光のついでに読むのに ちょうど手頃なもの。初めて知っておもしろいと思うこともけっこうあった。 たとえば、以下のことである。姫路藩は 19 世紀初め財政が破綻していたのを、 家老河合隼之介(寸翁)が救った。
これまでの藩は、領民に倹約を説き、それで浮いた分を搾取していたが、 隼之介はそれを逆転し、低利で生活資金を融資したり、米を無利子で貸したり、 いざという時のために共有の米を保存する固寧倉を設けるなどした。(中略)
ゆっくりとながら、巨額の負債が返せたのも、こんな領民の暮らしを重んじる 政策が領民に張りを与え、いろいろな産業を振興させていったからだった。