狩野派の流れ 元信 永徳 探幽
小学館ウイークリーブック週刊日本の美をめぐる38、小学館
刊行:2003/01/28
名古屋市博物館で購入
読了日:2007/06/03
名古屋市博物館の特別展「本丸御殿の至宝 重要文化財 名古屋城障壁画」を
見に行った記念に購入した。本物は実のところそれほど良くはなかった。
やっぱり工房として作ったものなので、個性の輝きのようなものには乏しい。
その上、今では色が褪せてしまっていて、背景に使われている金に対して
絵が完全に負けてしまうのが困るところである。むしろ、
一緒に展示してあった復元した模写作品の方が、
元の色の鮮やかさが分かるために背景の金にも納得がいく。
展示品の中で良かったのは、探幽作とされる「雪中梅竹鳥図」くらいだった。
さすがに、堂々としていてかつ品があった。背景の金を
抑えているせいもありそうだけれど。
この本に載っている永徳、探幽、山雪の名品はさすがに個性的で
素晴らしいと思える。永徳の豪快さ、探幽の品の良さ、
山雪のちょっとシュールな感覚はそれぞれ独自のものである。