スキミング―知らないうちに預金が抜き盗られる

松村喜秀著
扶桑社新書 002、扶桑社
刊行:2007/03/01
東京八重洲の八重洲ブックセンターで購入
読了日:2007/05/26
近頃テレビや週刊誌などではときどき取り上げられるカード犯罪の話。 どこかで聞いたような話が多いので、それほど目新しいわけではないけど、 でもまとめて読んでみると、それなりに迫力がある。 文章は読みやすく(手慣れた口語調なのでゴーストライターが書いたのかも? 違っていたら失礼!)、寝ながら読んでいたらすぐに読み終わってしまった。 カード時代、なかなか100%の安全はありえないけど、 (よく言われることではあるが)それなりに気をつけないと いけないことがあるということが書かれている。

ひとつ印象に残ったのは、著者によれば、銀行などがお金をかけて本気になれば できるセキュリティ対策をやってないということだ。一般的なキャッシュカードで 使われている磁気ストライプの技術はもう古くてセキュリティレベルが低い。 もちろん最近はICカードや生体認証も取り入れられてきているが、 取り入れるならいっぺんに全部やらないと意味がない。 新しい技術付きのカードでも古い従来型のATMでお金が下ろせるように なっているのなら、結局古い磁気ストライプ技術も使われているということであり、 そこがセキュリティの穴になる。

このことが印象に残ったのは、世の中ちょっとの経済的理由で安全が犠牲になって いることが多いということを最近いくつかの場面で聞くからだ。たとえば、 交通事故ももうちょっと自動車会社がお金をかければだいぶん軽減できる 技術はある。あるいは建物の耐震性だってちょっとお金をかければだいぶん 高めることができる。でも、近年の経済性優先の風潮の中で、そのちょっとが なかなか実現されない。もちろん程度問題ではあるけれど。

たまたま今日、某クレジットカードを退会した。別にそのクレジットカード会社に 不満があったわけではないけれど、あまり使っていないので整理と安全のために 退会することにした。