オリエント急行の殺人(オリエント急行殺人事件)

Agatha Christie 著、蕗沢忠枝訳
原題:Murder on the Orient Express (UK 版), Murder in the Calais Coach (US 版)
新潮文庫 赤 135 E、新潮社
刊行:1960/08/20
原著刊行:1934
古本を買ったか、廃棄してあったものを拾ったか覚えていない
読了:2008/10/05
この小説は、私は読む前から犯人を知っていた。この本そのものを以前に読んだのだったか、それとも 子供向けの短縮版を読んだのだったか覚えていない。ともかく、筋書きはおぼろげに覚えていた。 忙しいというのにうっかり手に取ったおかげで、最後まで目が離せなくなり、数日で読み終わってしまった。

無論、名作の誉れが高い通り、実におもしろい。普通、推理小説ではありえない犯人である。 こういう犯人の場合、捜査はほとんど不可能なはずで、推理小説が成り立たないはずである。 にもかかわらず、ポワロはほんのわずかの手がかりから巧みに真相を引き出してゆく。 その話の展開のしかたが非常に巧みで、思わず引きつけられてしまう。