特集 寺と墓の秘密 ― 誰も知らない巨大ビジネス

週刊ダイヤモンド 2008 年 1 月 12 日号
ダイヤモンド社
刊行:2008/01/12(発売:2007/01/05)
名大生協で購入
読了日:2008/01/08

ビジネスとしてみた寺と墓の話で、興味深いこともいろいろ書いてある。

「寺」については、予想される通り、田舎の過疎の場所の寺は困窮し、 都会で不動産収入があったりして儲かるところは儲かるという 「格差社会」の構図が記されている。原因は、記事で的確に指摘されている通り、 檀家制度という江戸時代の寺請制度を発端とする成功したビジネスモデルが 崩壊してゆく一方で、檀家制度にあぐらをかいて「顧客ニーズ」を汲み取る努力を 怠ってきたことにある。

記事の中でおもしろいのは、そういう中で経営改革をしてきた寺の話である。 どれも現代のニーズを汲み取っているもので、お寺も本来はいろいろやることが あるのだということを気付かせてくれる。

「墓」については、霊園開発のビジネスモデルの話や、墓の選び方など。 最近は、通常の墓(公営霊園、民営霊園、寺院墓地)以外にも いろいろな選択肢があるらしい。ここで紹介されているのは、 永代供養墓、納骨堂、樹木葬、散骨、宇宙葬である。 宇宙葬は、遺骨を打ち上げて、最後は流れ星にしてしまおうというもので、 よく考えたものだと思う。樹木葬は、墓石の代わりに樹木を植えるというもので、 やがて森に還るのなら、それは自然でなかなか良い選択肢であるように思える。 今は家に縛られる時代ではないのだから、自分の話になったら 普通の墓以外の選択肢を考えてみたいと思う。