羽生善治 考える力 人生を変える史上最強棋士の「思考法」

別冊宝島 1666 ノンフィクション、宝島社
刊行:2009/12/24(発行日と発売日のずれが大きい!)
名古屋栄のジュンク堂書店ロフト名古屋店で購入
読了:2009/11/29
将棋界のスーパースター羽生をヨイショする本である。軽い読み物集だから1日足らずで読めた。 羽生の魅力はやっぱり自然体だと思う。観戦記者の対談で、小暮克洋氏が語っている言葉:
勝負を戦いながらもメンタルということでは安定した日常を送っているし、 勝敗に一喜一憂しすぎない。(中略)将棋界は狭い世界ですから、そこだけで 勝った負けたに明け暮れるのは精神的疲労を感じるはずです。それよりはもっと穏やかな気持ちで、 自分がこの世界で飽きずに長くやっていこうと思ったらどういう境地でいるべきかを真剣に考えたのでしょう。

インタビュー記事より、羽生が将棋の性質を語っている部分を2か所引用しておく。これも面白い。

将棋ってすごい面白い性質があって、悪い手を指せば指すほど局面が複雑になるんです。 だから、プロの将棋よりもアマチュアの指す将棋の方が、より難解な将棋になりやすい。
あ、それから将棋にはさらに面白い性質があってですね、誰かが悪手を指しますよね。 で、次に悪手を指した人に、前の悪手のマイナス分が加算されるんですよ。 マイナス分をそっくり預けられる(笑)。だから、最後に悪い手を指しちゃいけない。 悪い手を指したのに逆転勝ちするのって、そういうことなんです。自分の悪手のマイナスが、 なんか全部まとめて相手に行っちゃう(笑)。