特集 正阿弥勝義 〜知られざる天才金工の眼と手

目の眼 2009 年 1 月号 (No.388)
里文出版
刊行:2009/01/01
京都東山の清水三年坂美術館で購入
読了日:2009/03/02
骨董雑誌である。正阿弥勝義という金工師がいたことを、テレビ番組 「 美の巨人たち 正阿弥勝義「群鷄図香炉」」で初めて知り、 その後京都に行った機会に、それに関連する 展覧会「海野勝みん(王へんに民)と正阿弥勝義」を清水三年坂美術館に見に行った。 この雑誌はその記念に買った。

清水三年坂美術館は、幕末から明治にかけての工芸品を扱っている美術館である。 幕末に江戸時代の工芸技術は頂点を極めた。極めて精緻で驚嘆する品々が多いのだが、 明治時代の日本はその良さに気付かず、その多くが海外に流出しているし、 その後それらに匹敵するものは作られていない。 正阿弥勝義の金工はそういった江戸時代文化の頂点の一つである。 金属で驚くほど精緻に動植物が表現されている。テレビを見てびっくりしたし、 本物ももちろんすばらしい。展覧会では、正阿弥勝義、海野勝みん(王へんに民)、 加納夏雄という幕末〜明治を代表する優れた金工師の作品が展示されており、 併せてこれらの作品に影響を受けたアール・ヌーヴォーのガラスなどが展示されていた。