特集 ナヴィエ-ストークス方程式

数学セミナー 2010 年 2 月号
日本評論社
刊行:2010/02/01(発売は 2010/01/12)
名大生協で購入
読了:2010/01/22
以下の6つの記事による特集。以下、サマリー。
岡本久「オイラー方程式・ナヴィエ-ストークス方程式の背景」
Navier-Stokes 方程式の歴史の簡単な説明。ニュートンは流体の力学を作ろうと したものの失敗した。オイラーは、連続体の概念と圧力の概念を発明して、非粘性流体に対する オイラー方程式を作った(1755年頃)。粘性を入れたナヴィエ-ストークス方程式を作ったのは ナヴィエ(1827年)で、それを正しく導出したのはストークス(1845年)である。 この方程式が確立したのは、いろいろな実験による検証を経た20世紀はじめである。 数学的理論を本格的に始めたのはルレイ(1934年)である。
藤田宏「ナヴィエ-ストークス方程式、学びのすすめ〜回顧と展望から」
Kato-Fujita 理論の背景と経緯について
大木谷耕司「イギリス便り:流体力学と解析学の接点」
流体力学と解析学の教科書について。Burgers 渦、Burgers 方程式について。
山田道夫「大規模な流れと Navier-Stokes 方程式」
天体規模の大規模な流れは、基本的な問題でもよくわかっていないことが多い。
鵜飼正二「Boltzmann 方程式と Navier-Stokes 方程式」
Boltzmann 方程式から流体方程式を導く話。ここでは、最近開発された macro-micro 展開が用いられている。
[吉田感想] 私は、これだけの説明だけではその内容は良くわからなかったが、 ともかく系統的にいろいろな方程式が導かれるらしい。ここで出てくる 非古典的な方程式系が、実際に何かの役に立つのかどうかが知りたいところなのだが、 そういう応用については何も書かれていない。
小薗英雄「ナヴィエ-ストークス方程式:クレイ懸賞問題のいま」
Navier-Stokes 方程式の解の存在問題の現状。
[吉田感想] これだけの説明では、私にはさっぱりわからないが、 もともと難しい問題なんでしょうね、きっと。