SAD (Social Anxiety Disorder) は、「社会不安障害」と訳されるものの、「社交不安障害」と訳したほうがより適切で、人と会ったり人前で何かをしたりすることに恐怖を覚える障害である。どのような状況でどの程度の恐怖を覚えるかは、人によって様々ということだ。従来は単に性格の問題とされてきたが、子供の頃活発だったのに思春期で変わるということもあることから、やはり病気と見るべきであろうと書いてある。ひどい場合は、電車にも乗れなくなるとのこと。
SAD のメカニズムは、はっきりとはわかっていないらしい。セロトニンとの関連とか扁桃体との関連とかが書かれている。SSRI を飲むと「まあいいか」という気分になるそうで、こだわりが取れることが SAI の治癒と関係ありそうである。
こういう本を読んでみたのは、身の回りにも SAD とは言わないまでも、そういう気質の人がけっこういそうなことに気づいたからである。登校拒否とか引きこもりになってしまう人のうちのある部分はそうなのであろう。そういう人と接するのに直接役立つわけではないけれど、ヒントが得られた感じがした。