偽善エネルギー
武田邦彦著
幻冬社新書 147、幻冬社
刊行:2009/11/30
名古屋栄の丸善名古屋栄店で購入
読了:2010/01/14
「リサイクルをしてはいけない」の武田先生が、いつものようにバッサリと
資源エネルギー問題とそれに付随する環境問題を論じている本。
主張の大筋は首肯できる。それはすなわち、
- 使いやすい石油(普通の石油のこと)は、あと 30 年でなくなる。
- したがって、使いにくい石油(石炭、オイルサンド、オイルシェールなど)を利用するための
技術開発に力を注ぐ必要がある。とくに石油化学製品(液体燃料、薬品などを含む)を
作ることができるようにしておかないといけない。
- 電気の形でのエネルギーに関しては、原発を利用すれば、あと 300 年持つ。
不安材料は人災であって、人災を避けるシステムを作れば、技術的には原発は安全である。
いわゆる自然エネルギーだけでは、量的に現在の需要をまかなうことは全くできない。
- 石油がなくなると、食べ物が足りなくなる。著者は、海で植物を栽培するための
技術開発をしている。
といったことである。論述の細かいところでは多少の疑問点はあるものの、
大筋はこの方向にならざるを得ないと思う。