鉄道デザインの話から始まるところがおもしろい。JR 九州はデザインを大事にしていて、 水戸岡鋭治が中心となって個性的なデザインの車両を多く作っている。 水戸岡氏へのインタビュー記事によると、経営トップの意識がかなり重要だとのこと。 経営者が斬新なデザインを選んでくれないと実現されないからだ。
その後、技術の話、新幹線の話、在来線の採算の話へと続く。在来線の話は、結局、 地方は利用者が減って大変、大都会は混雑して大変というよくある話である。 地方でも良くやっている会社として、上毛電気鉄道、和歌山電鐵、 富山市の LRT (Light Rail Transit) などの話が出てくる。
地方では、豪雨などの被害で鉄路が壊れて立ち直れなくなる例も良くある。 営業係数ワーストワンになっている JR 東海名松線は 2009 年に台風被害にあって 被災区間は復旧を断念した (pp.49,51)。 高千穂鉄道が廃線になったきっかけも台風被害だ。 つい昨日 (2010/07/31) のニュースによると、営業係数ワースト9の JR 東日本岩泉線で 土砂崩れがあったとのこと。地方の鉄路の維持にはこういったコストもかかる。
国際鉄道ビジネスの話題が大きく取り上げられているところが経済誌らしいところ。 フランスのアルストム、ドイツのシーメンス、カナダのボンバルディアが3強の鉄道会社だそうだ。 日本の会社はそれらには追いつかないが、 英国では日立、中国では新幹線ががんばっているんだそうな。