ほとけの履歴書 奈良の仏像と日本のこころ

籔内佐斗司著
NHK 出版 生活人新書 314、日本放送出版協会
刊行:2010/02/10
名古屋名駅のジュンク堂書店名古屋店で購入
読了:2010/03/28

著者 web page : 籔内佐斗司の世界
著者研究室 web page : 東京藝術大学 大学院美術研究科 文化財保存学専攻 保存修復彫刻研究室


最初悪評高かったが今では大人気(?)のせんとくんの作者である籔内佐斗司の著書である。 ちなみに、私はといえば、籔内佐斗司の童子像は好きで、せんとくんも好きである。 私は著者が東京芸大の先生であることは知っていたが、文化財の保存修復が専門だとは知らなかった。 そういう御専門であることを考えると、まさにぴったりした内容の本である。

本書の特徴は、製作技法の解説をしっかりしてあることである。 時代を追いながら、第1、2章は金銅仏、第3章は天平時代に独特の乾漆仏、第4章は 木彫仏(一木造り→寄木造り)、第5章は慶派と進む。第6章は、専門の仏像の保存修復の話である。 流れが良くわかって興味深い。

仏教系の神様仏様がたくさんいる理由もコンパクトにわかりやすく紹介してあり、 仏像を中心とした仏教世界が良くわかる。 仏像鑑賞ガイドブックとして行き届いた本になっている。