放射性物質の拡散予測シミュレーションの結果を国が隠しているという記事が載っている。 槍玉に挙がっているのは気象庁と文部科学省である。 気象庁は IAEA に提出している結果を公表していなかった。その後も批判が高まり、 4/05 あたりの官房長官記者会見で公表が決まった。その結果、IAEA に提出している資料が 気象庁の web page に掲載されるようになった。 本来、国内向けに予測をしてくれるはずのシステムが 文部科学省の SPEEDI である。 ところが、ほとんど結果を出していない。 実は、専門家によると、SPEEDI では、放射性物質が半径 200 km までしか広がらないことを 想定していたとのこと。さらに、もともと物質拡散の計算は精度が悪いということもあるらしい。 気象庁は、災害情報の一元化の原則に従って、SPEEDI があるからということで 初めは結果を公表していなかったようである。とはいえ、私としては、ある程度の目安にはなるので、 気象庁の結果が公表されたのは良いことだと思うし、SPEEDI の結果もできた範囲で 公表してしまって良いのではないかと思っている。もちろん精度が悪いことをどう説明するかが 難しい問題ではあるのだけれど。