原発が爆発した/海沿い「廃墟の街」慟哭ルポ

AERA 2011 3/28 (Vol.24, No.13)
朝日新聞出版
刊行:2011/03/28 (発売:2011/03/19)
九大生協で購入
読了:2011/04/10
東北地方太平洋沖地震に伴う福島原発事故と津波災害の特集号のようなもの。 防護マスクの表紙が風評被害を煽るとして物議をかもした。 とはいえ、レベル7に認定されてしまったような大事故だったので、 風評被害というレベルを超えているような気もするのだけれど (ただし、レベル7ということになったのは、4 月 12 日)。

放射性物質の拡散予測シミュレーションの結果を国が隠しているという記事が載っている。 槍玉に挙がっているのは気象庁と文部科学省である。 気象庁は IAEA に提出している結果を公表していなかった。その後も批判が高まり、 4/05 あたりの官房長官記者会見で公表が決まった。その結果、IAEA に提出している資料が 気象庁の web page に掲載されるようになった。 本来、国内向けに予測をしてくれるはずのシステムが 文部科学省の SPEEDI である。 ところが、ほとんど結果を出していない。 実は、専門家によると、SPEEDI では、放射性物質が半径 200 km までしか広がらないことを 想定していたとのこと。さらに、もともと物質拡散の計算は精度が悪いということもあるらしい。 気象庁は、災害情報の一元化の原則に従って、SPEEDI があるからということで 初めは結果を公表していなかったようである。とはいえ、私としては、ある程度の目安にはなるので、 気象庁の結果が公表されたのは良いことだと思うし、SPEEDI の結果もできた範囲で 公表してしまって良いのではないかと思っている。もちろん精度が悪いことをどう説明するかが 難しい問題ではあるのだけれど。