孔子 論語
佐久協著
NHK 100分de名著 2011 年 5 月、NHK 出版
刊行:2011/05/01(発売:2011/04/25)
福岡姪浜の福岡金文堂姪浜南店で購入
読了:2011/05/26
言わずと知れた「論語」を、元高校教員の著者がわかりやすく解説するという番組。
放送を見ていると、たしかにこの先生なら高校生に人気があっただろうなということが感じられた。
以下、放送時のメモ
●第1回「人生で一番大切なこと」●
欲望の3つの「たい病」
金持ちになりたい
えらくなりたい
有名になりたい
孔子は必ずしもこれを否定していない
ただし、目的と手段を取り違えるな
人生で一番大切なこと「恕=思いやり」
子の曰く、其れ恕か。
●第2回「自分のアタマで考えよう」●
孔子は弟子をたくさん取った
衆これを悪(にく)むも必ず察(さっ)し、
世間が悪い奴だと言ってもそれを鵜呑みにせず自分で調べよう
衆これを好むも必ず察す
世間からの評判が良くてもそれを鵜呑みにせず自分で調べよう
=>自分で考え、判断できる人間になろう
三者三様に「仁」を教える
子貢には「夫れ仁者は己れ立たんと欲して人を立て、己れ達せんと欲して人を達す。」(身の回りの人を立ててあげよう)
原憲には「以て難(かた)しと為すべし。仁は則ち吾れ知らざるなり。」(難しいからよく考えよう)
司馬牛には「仁者は其の言やじん(言へんに刀の左に点)。」(しゃべりすぎないのが良い)
知識力と思考力の両方が大事
学んで思わざればすなわちくらく、思うて学ばざればすなわちあやうし
思考力を付けるには「温故知新」(ゼロから始めるのではなくて昔の人から学んでそれに新しいことを加える)
●第3回「人を動かすリーダー論」●
リーダー=君子
渋沢栄一が論語に学んだこと
どんなことがあっても仕事を投げ出さないこと
孟子反(もうしはん)のしんがりのエピソード
最後まで責任を取らなければならない
リーダーに必要な3つの資質
強い正義感:義を見て為さざるは勇なきなり
平等の尊重:君子は周して比せず、小人は比して周せず
仁:人を傷(そこな)えりや、馬を問わず
リーダーになるために
自分で自分を見限らない
力足らざる者は中道にして廃す。今女(なんじ)は画(かぎ)れり。
プラス思考で磨く
子貢曰く、
貧しくして諂(へつら)うこと無く、富みて驕(おご)ること無きは如何。
子曰く、可なり。
未だ貧しくて道を楽しみ、富みて礼を好む者には若(し)かざるなり。
他人の長所を伸ばす
君子は人の美を成す。人の悪を成さず。
一人の人に過大な期待をしてはならない
人を大事に使うこと
●第4回「信念を持ち、逆境を乗り切ろう」●
天、徳を予(わ)れに生(な)せり。「かんたい」其れ予れを如何。
天が私に徳を教えるという使命を与えてくれている。だから、「かんたい」将軍が私に何をできるというのか?
これ亡からん。命(めい)なるかな。斯(こ)の人にして斯(こ)の疾あること。
病気は天が与えた運命だ。必ず乗り越えられるはずだ。天はそのような試練しか与えないはずだ。
君子固より窮す。小人窮すれば斯(ここ)に濫(みだ)る。
君子は、逆境でも泰然自若としている。つまらない人は、逆境になると自暴自棄になる。
これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。
恕(思いやり)
徳は孤ならず、必ずとなりあり。