エアライン敗戦 格安航空来襲とJAL破綻

杉浦一機 著
中公新書ラクレ 343、中央公論新社
刊行:2010/03/10
東京羽田のブックスフジ羽田空港店で購入
読了:2011/10/20
最近出張が多くて、よく飛行機に乗る。そうすると、だんだん飛行機代が安くなっているのを実感する。 私がよく利用する福岡-羽田間はとくに競争が激しく、今年スターフライヤーが参入してから 4社が競合することになったので、いろいろな値引き運賃がある。 私が学生だった20数年前は、国鉄の周遊券の学割が安くて、帰省にはよく周遊券で夜行急行を利用していた。 飛行機はだいぶん高いというイメージだった。今や、福岡-東京間の場合は、
鉄道(新幹線のぞみ指定席 -- 通常期)22320 円
飛行機 (スターフライヤーSTAR7 -- 10 月)18000 円前後
バス(西鉄高速バスエコノミー -- 通常期) 8000 円
という感じで、時間も考えるとふつうは飛行機を使う。

さて、本のほうは、航空の自由化とローコストキャリア(LCC)の発達の現状の解説である。 日本は長いこと規制がきつくてなかなかLCCが参入できなかったが、昨今徐々にLCCが 入ってきつつあるという状況が説明されている。上述のように飛行機の運賃が安くなってきているのも そういう流れの中にある。それでもまだ外国に比べると自由化が遅れている。

LCCは、最初は試行錯誤があり、大手から対抗措置を取られたりしてうまくいかなかったようだが、 現在最大手のサウスウエスト航空がビジネスモデルを確立して以来、世界では多くの会社ができた。 基本ポリシーは、会社によって少しずつ異なるものの、おおむね以下のようなものである(第3章)。