特集 「世界の空」大争奪戦 エアライン&エアポート

週刊ダイヤモンド 2011 年 11 月 19 日号
ダイヤモンド社
刊行:2011/11/19(発売:2011/11/14)
東京羽田の有隣堂羽田空港店で購入
読了:2012/02/05
LCC 日本本格参入と Boeing 787 登場といったことで、航空業界が戦国状態になってきたという背景の中の航空産業特集。これら2つの話題を頭に配置して、以下「ANA vs JAL」「世界の空の大再編」「安全度・ユーザー評価」「空港淘汰時代に突入!」という話題が並べられている。

私にとって目新しかったことを以下に2つ挙げておく。

JAL の経営が劇的に回復
福岡-羽田便を利用している印象では、まだ ANA の方が JAL よりも人気みたい (ANA 便の方が平均的には混んでいると思う)なので、JAL はいまだに経営が大変なんじゃないか と思っていたら、ここの記事によれば、JAL は業績好調なのだそうである。 JAL は、経営破綻後、不採算路線を切り、従業員をリストラし、給料を減らし、 航空機をダウンサイジングするという荒療治をしたおかげで、2010 年度には 1884 億円もの営業利益を挙げている。ANA より国内線シェアは低くなってしまったものの、 営業利益は ANA を上回っているとのこと。
福岡空港は、利用客が多いにもかかわらず赤字
福岡空港は、利用者数で言えば、羽田、成田、新千歳に次いで日本で4番目の空港である。 着陸回数で言えば、羽田、成田に次いで3番目である。にもかかわらず、民有地への地代が かさんで赤字だそうな。何かおかしいですね。
ネット検索するといろいろ問題がありそうである。 たとえば、Wikipedia 松本治一郎 の中の「福岡空港利権問題」。 ほじくり返すと戦後の闇が出てきそうな話である。こういうのは早く解消しないとねえ。

おかしな点も一つ挙げておく。 日本就航のエアラインの安全度ランキングというのが p.69 に出ているのだが、 これが訳が分からない。もともとこういうランキングは、 経済誌だから目を引くようにやっているだけで、目安に過ぎないということはまあ良しとしよう。 問題は、目安にさえならないのではないかという疑いが強いことである。そう思った根拠は 以下の2つである。

要するに、指標化の性能があまり良くなくて失敗していると思う。おそらく航空会社の 安全度にはそれほど大きい差がないので、事情に通じていない人が外形的な数字だけで ランキングを付けたところでほとんど意味のない数字しか出ないということだろう。