アインシュタイン 相対性理論
佐藤勝彦 著
NHK 100分de名著 2012 年 11 月、NHK 出版 [電子書籍]
刊行:2012/11/01(発売:2012/10/25)
電子雑誌書店 zinio で購入
読了:2012/11/28
数式を使わずに相対性理論を紹介している。
思考実験を使ってけっこう上手に紹介しているとはいえ、やっぱり数式なしでは苦しい部分もある。
動いているものの長さの縮みの説明になると、「これはそういうものだ」に近い苦しい説明になっている。
こういう番組でも、もうちょっと平気で数式や図を使ってはどうかと思う。
第1~3回が特殊相対論で、
第1回は、光速が系によらず一定であること、第2回は、時空の相対性、
第3回は E = mc2 の説明である。
第4回は一般相対論で、ビッグバンやタイムマシンの話もしてある。
放送時のサマリー
第1回 光の謎を解き明かせ!
相対性理論は、複数の論文が基になっている。
1905 年「運動している物体の電気力学」(特殊相対性理論)
1916 年「一般相対性理論の基礎」
1879 年 アインシュタイン生まれる
子供のころはのろま。
特殊相対性理論が発表されたときは、特許庁に勤めていた。
第2回 時間と空間は縮む
- 系によって同時性が異なる。
- 動いている系の時計は遅れる。
- 時計の遅れはお互い様。
- 動いている系では距離が縮んで見える。
第3回 驚きのエネルギー革命
- 時間と空間の縮みの観測例:ミューオン
- 速度の足し算は成り立たない X = (V + W)/(1 + VW/c2)
- 速度が増すと、質量が増える
- エネルギーが質量に変わる;質量は物体が持っているエネルギーの尺度である E = mc2
第4回 ゆがんだ宇宙 重力の正体とは
一般相対性理論では重力を取り扱う。
- 加速度系では力を感じる。加速度による力と重力とが本質的に同じだということを見抜いたのが「等価原理」。
- 空間のゆがみ。重力場中では、ものがまっすぐに動かない。重力と空間のゆがみは同じこと。
- 時間のゆがみ。ブラックホールに近づくと時間が止まる。逆に、重力が弱いところでは時間が速く進む。
- 一般相対論では、タイムマシンで過去に戻ることを許す。どうしたらそれが許されなくなるかが問題で、今でも研究対象。