扱っている題材は、ギリシャ哲学から始まって、レヴィ=ストロースとフーコーの構造主義や ロールズとザンデルの正義論までという感じで幅広い。 もちろん抜けていることもいろいろあるけど、もともと厚い本じゃないし漫画なので、 これだけ扱ってあれば立派なものである。 題材選択の特徴としては、英米系哲学が少ない。 ロールズとザンデルの正義論が出てくるが、これはザンデルの「ハーバード白熱教室」が流行ったせいだろう。 それ以外だと、イギリス経験論も功利主義もプラグマティズムも分析哲学も出てこない。 ウィトゲンシュタインは出て来るけれど、もともとイギリス人ではないし、言語ゲームが紹介されていて、「論考」は出てこない。 もちろん、それ以前に中国哲学や日本哲学は皆無である。