脳は悲鳴を上げている 頭痛、めまい、耳鳴り、不眠は「脳過敏症候群」が原因だった!?

清水俊彦 著
講談社+α新書 602-1 B、講談社
刊行:2012/11/20、刷:2012/11/20(第1刷)
福岡博多の紀伊國屋書店福岡本店で購入
読了:2013/01/03
妻がときどき頭が痛いと言うので、読んでみた。 最近は、頭痛のことがだいぶんわかってきたのだということがわかった。 本書では、とくに頭痛の中でも片頭痛に関する解説に多くのページを割いている。

一昔前までは、頭痛と言えば、鎮痛剤を処方するのが関の山だったのが、 2000 年にトリプタン製剤が認可されて、よく治るようになった。 さらに、トリプタン製剤の開発に触発されて、頭痛研究もだいぶん進展したようで、 本書では頭痛の原因もだいぶんクリアに説明されている。 そういった知見を取り入れた国際頭痛分類第2版は 日本頭痛学会ホームページからダウンロードできる。

片頭痛は、脳の興奮状態であり、 頭痛持ちは、要するに脳が興奮しやすい人ということだそうだ。 ストレスを受けるなどのことがあると、セロトニンが血液中に大量に放出される。 すると、血管が収縮する。その後、セロトニンが代謝されると、反動で異常に血管が広がる。 すると、血管の周囲に張り巡らされている三叉神経が刺激される。これが痛みになる。

片頭痛に適切に対処していないと、やがて耳鳴りや不眠などの不快症状が慢性化する。 著者を含む日本のグループは、最近これを「脳過敏症候群」と名付けた。