入門 日本の禅

井上裕務(編集人)、柴田理恵(編集)
洋泉社MOOK, 洋泉社
刊行:2013/05/19 (発売:2013/04/19)
福岡天神の積文館新天町店で購入
読了:2013/05/12
最近禅宗美術に関する講演を聞いたので、つい読んでみたくなった。 最近のムックらしく、きれいな写真をふんだんに使って字も大きくて見やすく、軽く楽しく読める。 扱っている話題は広く浅く、禅寺、庭園、禅画、禅僧、禅宗、禅にかかわる文化(茶道など)、坐禅などである。 こうして見ると、日本の文化には広く禅の影響が見られるのだということが良くわかる。

ところで、一方では、日本人として禅の考え方には共鳴できる部分があるものの、 現代人としては、禅を実践することなどできないし、アナクロニックではある。 「不立文字」なんて科学者としてはありえないし、それ以前に本好きとしてはありえない。 もっとも、p.68 に書いてあるところによると、禅宗は仏教の中で最も饒舌な宗派だそうで、 結局やっぱり文字は必要になってしまうのだろう。 本書で気になるのは、pp.104-105 で、断捨離は禅の心と通じるとしているところだ。 断捨離の提唱者やましたひでこ氏の服装を見れば、禅の心とは違うことは明白だろう。軽薄すぎる。