ところで、一方では、日本人として禅の考え方には共鳴できる部分があるものの、 現代人としては、禅を実践することなどできないし、アナクロニックではある。 「不立文字」なんて科学者としてはありえないし、それ以前に本好きとしてはありえない。 もっとも、p.68 に書いてあるところによると、禅宗は仏教の中で最も饒舌な宗派だそうで、 結局やっぱり文字は必要になってしまうのだろう。 本書で気になるのは、pp.104-105 で、断捨離は禅の心と通じるとしているところだ。 断捨離の提唱者やましたひでこ氏の服装を見れば、禅の心とは違うことは明白だろう。軽薄すぎる。