日本を貶めた「闇の支配者」が終焉を迎える日
Benjamin Fulford 著
KK ベストセラーズ
刊行:2010/04/05(初版第1刷)
福岡今宿の古本屋フタバ書店図書 GIGA 今宿店で購入
読了:2014/11/25
著者の言説は、最近どんどん陰謀論の色彩を強めてきた。それであんまり読まなくなっていたのだが、古本屋で 100 円で売っていたので
ついつい手に取ってみた。案の定、最後の方になると、地震兵器だとか熱力学第二法則を否定するとか無茶苦茶なことになっている。
陰謀論の激しさといい、科学の知見を無視しているところといい、困ったものであるが、
一方で、最近日本がアメリカによる属国であるという事実がはっきりしてきているところからみて、
やっぱり政治には闇の部分があると思わざるを得ないので(もはや大マスコミの作った幻想の中では生きていけない)、
一部真実も含まれているのかなと思いつつ、以下少しだけメモを取りつつ読んだ。
何が本当かわからないが(全部ウソかもしれない)、一応箇条書きでサマリーを書いておく。
- 第1章 闇の支配者の戦略
- 世界には「闇の支配者」(あるいは「ファミリー」)がいて、それが謀略の限りを尽くして世界経済から富を吸い取っている。
- その「ファミリー」のメンバーは、ロスチャイルド家、ロックフェラー家、ブッシュ家、モルガン家、メロン家、ウォーバーグ家、
イギリス王室、ローマ法王などである (p.18)。
- 彼らは人種差別主義者であり、有色人種は殺して良いと思っている。ナチスとも関係がある (pp.25-29)。
- 温暖化キャンペーンは、欧米人独裁支配のための仕掛けである (pp.32-34)。
- 「ファミリー」は、自分たちが神さまだと思っている (pp.36-40)。
- 「ファミリー」の世界支配は、中国や中近東の台頭でうまくいかなくなりつつある (p.43)。
- 「ファミリー」の中には石油利権派と原子力利権派がある (pp.47-49)。
石油利権派を代表するのは、デイヴィッド・ロックフェラー、パパ・ブッシュなどである。
原子力利権派を代表するのは、ジェイ・ロックフェラー、ジョージ・ソロスなどである。
- ノーベル平和賞受賞者は、平和を語りながら、戦争を推進する人々である (p.49)。
たとえば、オバマを見よ。これは、そもそもノーベル一族が火薬商人だったから当たり前である。
[吉田註:日本人としては、太平洋戦争の引き金を引いた「ハル・ノート」の Cordell Hull や、
沖縄核密約のときの総理大臣佐藤栄作がノーベル平和賞受賞者であることを忘れてはいけないだろう。
こういうことを見ると、たしかにノーベル平和賞はインチキである。私としては、こういうところがあるのが本書をウソとは言い切れない理由である。]
- 第2章 アメリカの破産
- アメリカは実質的には倒産しているが、まだいろいろ抵抗している (pp.52-57)。
- アメリカ連邦銀行を支配している人々は一枚岩ではない。大別すると「クリントン、ブッシュ」派と「ロックフェラー、ソロス、ブレジンスキー」派がある (p.61)。
オバマは、後者の操り人形である。
- ペンタゴンの良心的勢力がアメリカの経済を立て直してくれるかもしれない (pp.62-64)。
- 第3章 日本政治の闇でうごめく勢力
- 小沢一郎は、中国と一定の距離を置くと約束したから逮捕を免れた (p.66)。
- 小沢一郎は、密室で物事を進めて、民主的ではない (pp.68-71)。
- 日本には3つの勢力がある (pp.72-73)。(1) 中曽根元首相、小泉元首相を中心とし、パパ・ブッシュを支持するグループで、外務省北米局も含まれる。
(2) 中国追従を目指すグループ。(3) 日本を真の独立国家とすることを目指すグループで「ブラック・ドラゴン・ソサエティ」が中心。
- アメリカでは、パパ・ブッシュらの米国乗っ取りをたくらむ勢力とそれに反対する勢力が金融戦争をしている (pp.74-77)。
- アメリカには、在外米軍は引き上げたほうが良いと思っているグループと、戦争拡大をもくろんでいるグループなどがいる (p.78)。
ペンタゴンには日本にある基地をグアムに移転したいと考えている人もいるが、日本の外務省北米局などが反対している (p.79)。
- 北朝鮮は日本と平和条約を結びたいと思っているが、アメリカだけが反対している (p.80)。
- 普天間基地問題に関して、鳩山首相は、アメリカの金融戦争の決着を待っている (pp.81-82)。[吉田註:結局情けない結末に終わったのはなぜ?]
- 小泉政権の「郵政民営化」は、「郵政米営化」のこと。日本のお金をアメリカに流すための手段である (pp.82-87)。
- 第4章 世界宗教の歴史と闇の支配者との関係
- この章は世界の秘密結社の歴史。長い間闇の組織が世界を動かしているという話だが、錯綜しているし、
本当なのかどうかも分からないので、サマリー省略。大マスコミが垂れ流す「アルカイダ」とか「テロとの戦争」も嘘くさいけど、
ここに出てくる「フリーメーソン」とか「マルタの騎士団」とかも訳が分からない。
- 第5章 フルフォードから古歩道へ――私と日本
- 著者は、日本に帰化した。著者の生い立ちについて。
- 日本では、正しい情報を伝えようとしている人が暗殺されることがある。石井紘基代議士の暗殺がその一例である。
真相は闇の中である。
- 第6章 「闇の支配者」からの解放
- テスラという偉大な発明家がいたという話から始まるのは良いのだが、地震兵器が出てきたり (pp.184-186)、
熱力学第二法則を否定してみたり (pp.190-191) と無茶苦茶になっているので、まとめ不能。
- 第7章 日本はこれからどうして行くべきか
- 「プラザ合意」や「金融ビッグバン」が日本経済を衰退させたので、その前の体制に戻さないといけない。
- 日本は欧米と中国の間でバランスを取って生きていかないといけない。