ターミナルコマンドで OS X を12倍深く使うための本

著者まえだひさこ
発行所ラトルズ
電子書籍
刊行2014/02/28(初版第1刷)
入手電子書籍書店 amazon Kindle で購入
読了2015/05/02

Mac OS X の UNIX としてのコマンドラインを中心とした利用法を書いた本を見たいと思って探したら、ちょうど Kindle 版が安く出ていたので買ってみた。役に立つことがいろいろ書かれていた。UNIX とはいえ、Mac OS 独自の機能もけっこうあるので、やっぱりこういう本がないとなかなかわからないことが多い。たとえば、ファイルの属性や付随情報に、ACL、EA、メタデータといった種類があるというようなことだ。読まずに使っていたら、たぶんずっと気づかないだろう。UNIX の知識が私程度の人間にちょうど良い。まったく UNIX を知らない人が読むと、説明もなしに新しいことが出てくる部分もあって難しいだろうし、十分知識がある人にはややかったるいだろう。十分知識がある人なら Mac OS X 特有の部分だけで足りるだろうが、私くらいだと、一般的な UNIX コマンドもまとまっていないと、実際問題としてわからないことが多くなって困る。

6章「ターミナルから Mac を便利に使う」は、通勤中に読んだところ、普通にウィンドウを使っていれば必要ないかと思ったが、実際に使ってみると、open コマンドなど、いろいろ便利であった。これに慣れると、コマンドラインベースで Mac を使うようになるかもしれない。

この電子版の本全体への不満が一つ。電子版といっても、本を画像としているだけのようなものなので、検索したり、コメントを書き込んだりできない。こういう本は辞書としても使いたいので、検索は使えるようにしておいてほしかった。せめて、索引をタップすると本文に飛ぶようになっていると良かったが、それも無い。

細かいことで気づいたことのメモ:

発見したミスプリ(初版第1刷)

p.55 最初の例
リダイレクトの 2>& は間に空白を開けてはいけないのに、2 と > の間に空白が入ってしまっている。
それだけでなく、それを修正して cat foo.txt 2>& result.txt としても、ambiguous redirect と怒られて実行されない。省略せず、cat foo.txt 1> tmp.txt 2>&1 ならば文句を言われない。
p.86 最後の表
説明の部分が p.82 の表の説明になってしまっている。
p.109 find のオプション表
最後の4行が意味不明の色の説明になってしまっている。
p.124 file のオプション説明
(誤)文字コードを調べる「charset=utf-8」
(正)文字コードを調べる「--mime-type」