Mac OS X の UNIX としてのコマンドラインを中心とした利用法を書いた本を見たいと思って探したら、ちょうど Kindle 版が安く出ていたので買ってみた。役に立つことがいろいろ書かれていた。UNIX とはいえ、Mac OS 独自の機能もけっこうあるので、やっぱりこういう本がないとなかなかわからないことが多い。たとえば、ファイルの属性や付随情報に、ACL、EA、メタデータといった種類があるというようなことだ。読まずに使っていたら、たぶんずっと気づかないだろう。UNIX の知識が私程度の人間にちょうど良い。まったく UNIX を知らない人が読むと、説明もなしに新しいことが出てくる部分もあって難しいだろうし、十分知識がある人にはややかったるいだろう。十分知識がある人なら Mac OS X 特有の部分だけで足りるだろうが、私くらいだと、一般的な UNIX コマンドもまとまっていないと、実際問題としてわからないことが多くなって困る。
6章「ターミナルから Mac を便利に使う」は、通勤中に読んだところ、普通にウィンドウを使っていれば必要ないかと思ったが、実際に使ってみると、open コマンドなど、いろいろ便利であった。これに慣れると、コマンドラインベースで Mac を使うようになるかもしれない。
この電子版の本全体への不満が一つ。電子版といっても、本を画像としているだけのようなものなので、検索したり、コメントを書き込んだりできない。こういう本は辞書としても使いたいので、検索は使えるようにしておいてほしかった。せめて、索引をタップすると本文に飛ぶようになっていると良かったが、それも無い。
細かいことで気づいたことのメモ:
- コマンドのありかを探すコマンドとして、whereis が紹介されているのに、which が紹介されていないのは、ちょっと片手落ち。
- p.162 からの音声読み上げコマンド say の紹介で、デフォルトの声は Alex ということになっているが、今の Yosemite 日本語版では、最初から日本人の Kyoko になっている。本では、Kyoko はインストールしないといけないことになっているが、今では元からそれがデフォルトになっている。