先日「生命大躍進展」を見た記念に購入。
人類につながる動物の進化がきれいな写真やイラストを使ってコンパクトにまとめられている。
放送では、眼の誕生、母乳の誕生、知性の誕生の3つに絞って最新の研究が紹介されていたが、
本と展覧会の方は、動物の進化の歴史をたどるのが主体で、3つのトピックはちょっと足されている感じである。
放送時の箇条書きメモ
「NHK スペシャル」は3回シリーズであった。
第1回 そして「目」が生まれた
- 目で光を受容しているのが、ロドプシンというタンパク質である。
- ワルター・ゲーリングと五條堀孝の研究。
- 植物が作ったロドプシン遺伝子がクラゲのような動物に移行した。
第2回 こうして「母の愛」が生まれた
- リゾチームがαラクトアルブミンに変わった。リゾチームには殺菌作用がある。αラクトアルブミンは母乳に含まれる。
- ジュラマイア、胎盤の生成、季強
- 胎盤、PEG10遺伝子、レトロウイルス起源、母親の免疫を抑える
第3回 ついに「知性」が生まれた
- 考える恐竜 トロオドン 体の大きさに比べて脳容積が大きい
- 花嶋かりな ブレーキ遺伝子故障→大脳新皮質の発達
- Simon Fisher FOX P2 遺伝子→言語遺伝子
- Svante Paavo ネアンデルタール人遺伝子の復元
- ネアンデルタール人にも FOX P2 遺伝子はあったが、周辺がわずかに違っていた。
サイエンスゼロ 2015/07/26 生命大躍進
ついでに、「サイエンスゼロ」でも「生命大躍進展」にちなむ番組をやっていたので、そのときの箇条書き記録も書いておく。
中心となっていた話題は「全ゲノム重複」であった。
- 導入~展覧会の節足動物化石
- アノマロカリスの複眼化石
- ウミサソリ化石
- 節足動物が繁栄した時代から脊椎動物が繁栄する時代に変わるわけの一つということで、全ゲノム重複の話に移る。
- リンダ・ホランド(スクリプス)
- ナメクジウオとヒトの遺伝子を比べると、ヒトでは4倍に増えているものがたくさんあった。例えば、Hox13遺伝子。
- 全ゲノム重複
- 遺伝子が4倍になったのは脊椎動物だけ。最初はすべての遺伝子が4倍になったと考えられる。何かの理由で、両親の遺伝子をそのまま持った精子と卵子が出会ってゲノムが倍増した(全ゲノム重複)。これがなぜか2回起こった。
- 全ゲノム重複は、植物でも6500万年前に一度起こっている。
- ヒトでは、全ゲノム重複で重複した遺伝子のうち、残っているのは30パーセント。残りは、消えたか変異した。
- アフリカツメガエルは、ネッタイツメガエルに対して全ゲノム重複している(5000万年前)。
- 和田洋
- カメラ眼と全ゲノム重複が関係している。重複したEPH遺伝子を使って、網膜上に座標系が作られている。
- 大野乾(おおのすすむ)
- 全ゲノム重複の考え方の先駆的提唱者。