昨晩から読み始め、今朝早く起きるつもりじゃなかったのに早く目が覚めて読了。やはりこういうのはすぐに読める。 たまたま手にした本だが、ペリー・メイスン (Perry Mason) シリーズの中でも評判が高い作品らしい。
本作品では、行動派弁護士メイスンが私立探偵のポール・ドレイクと組んで弁護士の役割をはるかに越えて事件の調査を行い、 真相に到達する。メイスンは、清掃人に化けてホテルにいる容疑者と話をしたり、芝居を打って裁判に劇的な演出を加えるなど、 冒険一杯の大活躍をしており、それが楽しめるところだ。 悪者が何人か出てきて読者を混乱させ、最後にこれまで目立たなかった人物が真犯人だとわかるようにしてある。
やや不自然に思えるところは、最初の依頼人ピーター・ブルノード (Peter Brunold) の依頼だ。義眼をなくしたということで殺人事件に巻き込まれるかもしれないと思いメイスンに何とかしてくれなどというのは、普通は状況として考えにくい。考えられるのは、すでに何か厄介ごとに巻き込まれている場合だが、種明かしまでわかった後で見ると、別に殺人事件を心配しないといけないような状況ではなかったはずだ。読者にブルノードが怪しいと思わせるための煙幕だろうか?