分析哲学とか経験論哲学とかいわゆる英米系哲学の全体的な紹介である。私には、やはり最後の 1/3 くらいで現代の哲学の動向を紹介している部分が面白かった。参考文献に著者の著作も出てくるので、ふだんから著者がよく考えている問題なのであろうし、やはり現代の問題の方が背景が共有されるのでわかりやすいのだと思う。
しかし、最初の方で、ロックやバークリの紹介をしているところはやや退屈である。ロックやバークリの考え方を理解しようとしているのだが、現代の科学や哲学を前提とすれば、そんなことは無意味ではないだろうか。もっと現代の科学や哲学に立脚して紹介してほしい気がした。