シャンパン 泡の科学

著者Gérard Liger-Belair
訳者立花峰夫
発行所白水社
刊行2007/09/30
原題Uncorked -- The Science of Champagne
原出版社Princeton University Press
原著刊行2004
入手九大図書館で借りた
読了2016/02/10

シャンパンの泡ができてから消えるまでの物理をメインに据えた短い科学読み物である。こういういわゆる寺田物理学的な優雅な物理学を楽しんで研究している物理学者がいるというのは、喜ばしいことである。といっても、著者は、シャンパーニュ地方のランス大学のエノロジー(ワイン醸造学)・応用化学研究所に勤めているようなので、実用研究でもあるわけだ。訳者は、あとがきでこの本のことを「奇書」と書いてあるけれど、内容はそんなに「奇」でもない。物理学者が、趣味と実益を兼ねてシャンパンの研究をしようと思ったら、こういうふうになるだろうなという内容である。「奇」であるとすれば、これを読む人がそれなりにいるということで、それなりに売れているとすれば、文化度が高いということで結構なことである。

火山学で、気泡の振る舞いの研究をしている学生からこの本の存在を教えてもらった。本は、あまり難しいことは書いていないし、写真も豊富なので、楽しくすぐに読める。

以下、書いてあった泡の物理の簡単なサマリーを箇条書きにしておく。