生誕 120 年記念で、宮沢賢治作品の紹介である。ラジオ講座は、テキスト棒読みになりがちなのだが、この講師はけっこう自分の言葉で話していた。
子供の頃、賢治作品は図書室でけっこう読んだと思う。子供の頃は「クラムボン」や「よだか」が好きだったような気がするが、今だとトシの死を悼む詩が好きになりそうな気がする。そのうち改めて読み直したい。
著者 | 山下聖美 |
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シリーズ | NHK カルチャーラジオ 文学の世界 2016 年 1~3 月 |
発行所 | NHK 出版 |
刊行 | 2016/01/01(発売:2015/12/25) |
入手 | 福岡天神のジュンク堂書店福岡店で購入 |
読了 | 2016/03/24 |
生誕 120 年記念で、宮沢賢治作品の紹介である。ラジオ講座は、テキスト棒読みになりがちなのだが、この講師はけっこう自分の言葉で話していた。
子供の頃、賢治作品は図書室でけっこう読んだと思う。子供の頃は「クラムボン」や「よだか」が好きだったような気がするが、今だとトシの死を悼む詩が好きになりそうな気がする。そのうち改めて読み直したい。
放送は、後半を聞き逃す。
放送を聴き損なった。
(「序」より)わたくしといふ現象は 仮定された有機交流電燈の ひとつの青い照明です
(「永訣の朝」より)けふのうちに とほくへいつてしまふわたくしのいもうとよ みぞれがふつておもてはへんにあかるいのだ (あめゆじゆとてきてけんじや)
(「無声慟哭」より)こんなにみんなにみまもられながら おまへはまだここでくるしまなければならないか ああ巨きな信のちからからことさらにはなれ また純粋やちひさな特性のかずをうしなひ わたくしが青ぐらい修羅をあるいてゐるとき おまへはじぶんにさだめられたみちを ひとりさびしく往かうとするか
(「小岩井農場」より)もうけつしてさびしくはない なんべんさびしくないと云つたとこで またさびしくなるのはきまつてゐる けれどもここはこれでいいのだ すべてさびしさと悲傷とを焚いて ひとは透明な軌道をすすむ ラリツクス ラリツクス いよいよ青く 雲はますます縮れてひかり かつきりみちは東へ曲がる
遠くの遠くの野はらの方から何とも云へない奇体ないゝ音が風に吹き飛ばされて聞えて来るんだ。 まるでまるでいゝ音なんだ。切れ切れになって飛んでは来るけれど、まるですゞらんやヘリオトロープのいゝかをりさへするんだらう、 その音がだよ。(「黄いろのトマト」より)
なるほど一つ一つの花にはさう思へばさうといふやうな小さな茶いろの算用数字みたいなものが書いてありました。(「ポラーノの広場」より)
『クラムボンはわらつたよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらつたよ。』
『クラムボンは跳てわらつたよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらつたよ。』
かへつてここはなつののはらの(「無声慟哭」より)
ちひさな白い花の匂でいつぱいだから
「あゝ、そんなんでなしにたったひとりのほんたうのほんたうの神さまです。」
「カムパネルラ、また僕たち二人きりになったねえ、どこまでもどこまでも一緒に行かう。僕はもうあのさそりのやうにほうたうにみんなの幸(さいわい)のためならば僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまはない。」