「イスラーム国」が何なのかさっぱりわかっていなかったのだが、これを読んでだいぶん様子が分かった。 宗派やら民族やらアル=カーイダやら周辺大国やら欧米大国やらが絡み合って情勢が流動する中で、 イラクとシリアの国境地帯を中心にして領域支配をする「国」が発生したということを、 本書では解きほぐして説明してある。
著者は最後のほうで
第一次世界大戦終結時以来の、中東での国境再画定を目指す動きが連鎖して、秩序の流動化が進みかねない。と書いているが、実際そのように流動化して国境線を変えないと、なかなか落ち着かないのではないかという気がした。 どう考えてもそう簡単には収まりそうにない。