保守を標榜する著者がなぜガンディーなのか。最初ちょっと不思議に思ったが、「よいものはカタツムリのように進む」ということばがガンディーの保守性をよく表しているような気がして納得した。最近、いわゆる保守政党の政治家がしばしば改革や維新を標榜するけれども、彼らが似非保守であることは言うまでもない。
植民地支配からの抵抗の話を聞くと涙が出そうになる。いかにして人はかくも残酷になりうるのか。そしてそれに抵抗するのにいかに苦労をするのか。ガンディーのやり方は、高邁な魂を貫くということだ。それにいかに勇気が必要だったことだろうか。