ふと手にとって読み始めたら面白くて数日で読み終えた。共産主義国家の政治の人間模様が書かれた本というのはだいたい面白い。 表の世界と裏の世界があって、その中での生き方から人間性というものがよく見えるからである。自分で体験したいとは思わないけれど。
本書では、著者が、ソ連崩壊の過程の中で生きる人々と直接的な付き合いをした体験を扱っており、 混乱した時代の中での人それぞれの生きかたが生々しい。 著者がソ連のインテリの中に食い込んでいく様子もすごい。神学の素養と酒に強いことを武器にソ連の中枢にいる人々と仲良くなってゆく。 私だったら、こんなにウォッカも飲めないし、神学も知らないので(もうちょっと広げても文系ノリの会話は苦手である)、 とてもこんなことはできない。