松本清張の存命中は書店の本棚にけっこうずらりと作品が並んでいたと思うが、最近では少なくなってしまった。 私は流行の小説はあまり手に取らない傾向にあるので、一つも作品を読んだことがなかった(と思う)。 放送を聞いて清張が面白そうだということを知ったので、そのうち読んでみたい気になった。
前半の2回では、松本清張の推理小説から当時の時代背景が見事に浮かび上がるということをテーマにして解説がなされている。私が生まれる前の小説だが、私が幼かった時のことを思い浮かべ、それから少し昔に外挿すると確かにこんな感じだったとわかる気がした。
後半の2回は、昭和初期の軍部と皇室に関わる問題を扱った作品である。皇室内部の確執やシャーマニズムなどを描いているのが非常に興味深い。