「100分de名著」でこの作品が取り上げられるのは、『ノートルダムの鐘』を劇団四季が1年ほど前から (Wikipedia によると 2016 年 12 月から)やっているためだろうか。
小説は読んでいないが、番組であらすじを知っただけでも感動的な名作であろうことがよくわかる。現代の小説と比べると、キャラが極端すぎて不自然ということになるだろうが、物語が圧倒的な奔流で悲劇の頂点へと押し流されてゆくのだということを知れば、これはこれで一つの型なのだということになる。個々の登場人物の努力ではどうしようもないことが絡まりあって不幸な運命へと突き進むという悲劇らしい悲劇である。
この作品の筋を知ると、『オペラ座の怪人』も思い出してしまう。筋書きに共通点が多い。『ノートルダム・ド・パリ』は1831年に出版され、『オペラ座の怪人』は 1909 年に発表されたのだから、もちろんガストン・ルルーがユゴーの小説も意識しながら書いたのだろうと推測される。両方ともミュージカルになって、劇団四季が上演しているというのも興味深いところである。