普通のゲイの姿を紹介するという趣旨の漫画である。NHK BS でドラマになったということで、ドラマと平行して読んだ。 ドラマは原作にほぼ忠実である。漫画はやや説教臭い部分があるのだが、 ドラマにすると不思議とそれが気にならなく自然な感じになっていて、ほのぼのした番組になっていた。
物語の設定がうまくできている。主人公の弥一(やいち)は娘の夏菜(かな)との父子家庭を営んでおり、そこに主人公の 亡き双子の弟の涼二(りょうじ)の「夫」であるマイクがカナダからやってくるというのが、基本設定である。 まず、主人公の双子の弟がゲイという設定から、主人公がゲイという存在とどうしても向き合わなければならない状況が作られる。 そこにマイクという違う文化からやってきた人間が出現して、異なる考え方とも向き合わせる。 その一方で、主人公と娘は父子家庭だから、家族のあり方の多様性という問題とも向き合わないといけない。 こうした巧みな設定の下で、物語はハッピーエンドに向かって進んでゆく。
ドラマでは、元力士の把瑠都がマイク役にうまくはまっていた。 把瑠都の性格と夏菜の存在のおかげで、全体的に明るく仕上がっていた。