ブラタモリ1 長崎 金沢 鎌倉

監修NHK「ブラタモリ」製作班
編集株式会社ランズ
写真山田大輔
編集統括原孝寿
シリーズブラタモリ
発行所KADOKAWA
刊行2016/07/15、版:2016/09/10(4版)
入手長崎市茂里町の TSUTAYA BOOKSTORE MIRAI NAGASAKI COCOWALK 店で購入
読了2019/10/18
参考 web pages NHK ブラタモリ #1~#10

長崎出張のついでに、池島炭鉱跡を見に行った。本書はその記念。長崎の炭鉱跡といえば軍艦島(端島)が有名で、 池島のことは行く直前まで知らなかった。ところが、軍艦島に行こうと思ったら、台風の後遺症で上陸できなくなっていたので、 似たところはないかと探して、池島に行くことにした。

池島のことは、このブラタモリのおかげで多少は人々に知られるようになったとのこと。島巡りツアーに参加してみたが、 けっこう面白い。元炭鉱マンが案内してくれる。池島は、軍艦島と違って、今でも 100 名程度の住民がいるそうだ。 とはいえ、たいした産業もないので、人はどんどん減っているらしい。九州では一番最後まで稼動していた炭鉱ということで、施設が比較的新しい。 ツアーでは、まず坑内見学をする。池島炭鉱は、主に海底下の深いところで掘っていて、その海面下の部分はすでに水没しているということで、石炭層を見ることはできない。 見られるのは、炭鉱の入り口部分の地下である。しばらくインドネシアの研修生を受け入れていたそうで、その研修生が掘った坑道というのもあった。 坑道の中には、使っていた掘削機械などが置いてあり、それが見学できる。 その後は、島内ツアーで、労働者の集合住宅(いまはほとんど無人で廃墟となっている)の一部を見て回る。

炭鉱といえば、私が子供のころは、北海道に住んでいたせいもあって、炭鉱の事故だとか争議だとかのニュースがしょっちゅう流れていたように思う。 そういうのを思い出すと感慨深い。海外の石炭には価格面で全く勝てないそうで、閉山も時代の流れとはいうものの、 技術がなくなるのも寂しい。だからこそ、インドネシアの研修生を受け入れて技術移転しているとのことである。

本書では、長崎でそのほか紹介されているのは、地形、出島、造船所関連だ。そのうち、そちらも訪れてみたい。 坂が多いということは聞いていたけど、行って見ると、坂に住宅がひしめいているのに驚く。もともとそもそも平地がないところに港を作って、 人が増えたので、徐々に埋め立てて平地を作るとともに坂にも住宅を作ったということのようだ。がけ崩れが心配になる。 実際、1982 年の長崎水害では、がけ崩れや土石流による死者が多かったようである。

金沢には一度学生のころ学会で行ったことがある。そのころはブラタモリ的な視点はなかったので、武家屋敷や兼六園を見物に行ったと思う。 ブラタモリでは、惣構、辰巳用水、石垣、砂金、金箔が注目ポイントとなっている。

鎌倉は、親戚が近くにいるので何度か行ったことがあるはずだが、だいぶん昔である。 ブラタモリで注目しているのは、地形、凝灰岩(鎌倉石)、昔の港跡(和賀江嶋)、江ノ島から鎌倉にいたる江戸時代の観光ルート、江ノ電である。