映画で有名な「風と共に去りぬ」ではあるが、私は映画も見たことがないし小説も読んだことがないので、 この解説で初めてこんな話かと知った。一種の大河小説だということがわかった。 大河小説というほど長い期間の物語ではない(1861 年から 1873 年までの 12 年間で、 スカーレット・オハラは 16 歳から 28 歳まで)のだが、南北戦争で没落してゆく南部社会を背景にしているという意味では 大河小説と言える。
主人公のスカーレットの行動は未熟でアンバランスである。彼女は一方で逞しく性悪で、一方で夢見る乙女だ。 スカーレットの年齢を考えると、そもそもかなり若いので当然ともいえる。この主人公の心の成長がひとつの読みどころのようである。