カント 純粋理性批判

原作Immanuel Kant
企画・漫画バラエティ・アートワークス
シリーズまんがで読破 MD089
発行所イースト・プレス
電子書籍
電子書籍刊行2011/12/01
電子書籍底本刊行2011/08/10(初版第1刷)
入手Amazon Kindle Unlimited で購入
読了2019/03/24

ちょっと前にまんがで読破シリーズの一部が amazon で 10 円セールをやっていたときに ケインズと一緒に買ってみた。 ちょっとした待ち時間に読み始めたら、1、2時間ほどで読み終わった。

こういう哲学の古典を漫画でざっと解説してくれるのは良いものだと思う。 高校の教科書よりも内容が詳しいし、真面目に原典を読み出したら時間がかかりすぎるし、 今さらそこまで真面目に読む価値は無い。したがって漫画で雰囲気をつかむ程度で丁度良い。 全体的にすごく良く分かった気になれるかというと、それほどでもないが、 雰囲気は伝わったのでそれで良しとしよう。

もし私に本当にわからせようと思ったら、当時の科学の状況と現代の科学の状況を踏まえた上で、 カントは何をやりたくて、今から見ればどこが意味があってどこに意味が無いかをきちんと腑分けしてほしいわけだが、 そういう解説本は漫画でなくても稀有である。たとえば、最後の方で「自然の合目的性」について書かれている。 今から見れば、こんなことは進化論を踏まえずに議論するのは無意味であることは明らかである。 そうはいっても、今から見てカントは全く無意味なのかどうかと、進化論が無いと思えばそれなりに合理的と 言っていいのかどうかを明確に書いてほしいのだが、それほどはっきりとは書かれていない。