名探偵コナン 12~15 巻

著者青山 剛昌
シリーズ少年サンデーコミックス
発行所小学館
電子書籍
掲載時期2020/04/17--2020/04/30
入手アプリ「サンデーうぇぶり」
読了2020/04/30

スマホアプリ「サンデーうぇぶり」で、劇場版『緋色の弾丸』が公開延期になって残念でしたということで 組まれた特集で、 初期の作品を公開していた。それらの漫画のメモ。

事件のサマリー

事件名Files登場人物事件の概要 or 関連事項トリック
12, 13ホームズ・フリーク殺人事件 7 マイクロフトでの集い、8 知りすぎていた女、9 ナゾの爆発、10 見破られたウソ、1 本当の姿
  • 川津郁夫:高校体育教師
  • 藤沢俊明:駅員
  • 清水奈々子:図書館司書
  • 岩井仁美:ペンション従業員
  • 戸田マリア:占い師
  • 金谷裕之:ペンションオーナー
  • 戸叶研人:大学生、推理研究会会長
  • 大木綾子:大学生、推理研究会会員

「シャーロックホームズフリーク歓迎ツアー」に、コナンが勝手に参加申し込みをして、コナン、蘭、小五郎が行くことになる。 会場のペンション「マイクロフト」には、ホームズフリークが集まっている。超難問推理クイズで満点だったら、 『緋色の研究』の初版本がもらえるという。服部平次も、工藤新一に会えるかもしれないと思って来ていた。

翌日、なかなかオーナーが現れない。深夜になって外を見ると、オーナーが乗った車がゆるゆると崖に向かって行き、落下した。 電話は壊されており、車も動かせなくなっていたので、ツアー参加者はペンションに閉じ込められた格好になった。

綾子が犯人が分かったと言って、部屋を出て行く。しばらく後で、爆発音がした。外に出てみるとガレージが燃えていた。 綾子が焼死体になっていた。

藤沢の部屋のドアには、例の本が欲しければガレージに来いというメモが挟んであったという。 そうこうしていると、部屋の明かりが突然消える。暗闇の中で、藤沢がアイスピックで刺される。 明かりが消えた理由は分かった。コンセントを差し込むとショートする仕掛けが作ってあったのだ。

コナンは、平次を麻酔銃で眠らせて推理を披露する。犯人は戸叶だった。まず、初日の夜、オーナーを殺して ブレーキを踏んだ体勢にして車に乗せた。死後硬直が緩むと、車は自動的に動き出して崖下に転落する。 次に、自分が犯人だと綾子に気付かれたので、ホームズの初版本が車の後部座席にあると言ってガソリンを充満させた ガレージにおびきよせ、ライターを明かりの代わりに使わせて爆死させる。最後に、明かりを消して、 アイスピックで藤沢を刺す。

もともと犯人の狙いはオーナーの金谷と藤沢だった。二人が書いた「アイリーンアドラーの嘲笑」という本が 許せなかったからだった。

服部平次は、コナンが工藤新一だということに気付いてしまう。

死後硬直の利用、ガソリンを利用した爆発。ただし、ガソリンがガレージに充満していたら、臭いで気付くようにも思う。
13三つ子別荘殺人事件2 目撃者は...!?、3 三つ子の容疑者、4 哀しき兄弟の絆
  • 富沢哲治:富沢財閥会長
  • 鈴木綾子:園子の姉
  • 富沢太一:富沢家長男、小説家
  • 富沢達二:富沢家次男
  • 富沢雄三:富沢家三男、画家、綾子と結婚予定

園子、蘭、コナンは、園子の別荘でビーチを楽しんでいる。隣には富沢財閥の別荘がある。 富沢財閥の哲治が、綾子に会っておくためと衛星放送を見せてもらいに鈴木家別荘を訪れている。 夜11時半、哲治が帰ったすぐ後に停電になり、外を見ると雄三が父親の哲治を撲殺しているように見えた。

翌朝、横溝刑事が捜査を始める。太一、達二、雄三は実は三つ子だったことがわかる。そこで、殺したのは その3人のうちの誰かだということになった。3人ともアリバイらしきものがあった。

犯人は太一だった。停電のために入っているはずのない留守電が入っていたことが決定的な証拠になった。 アリバイ工作で時間をずらしておいたのが仇になった。動機は、太一の小説の仕事を哲治が潰していたことだった。

アリバイ崩し
13イラストレーター殺人事件5 落ちる死体、6 疑惑の自殺、7 花と蝶
  • 花岡兼人:画家
  • 蝶野いづみ:イラストレーター

小五郎が花岡兼人の画集の巻末対談に呼ばれて、花岡デザイン事務所にやってくる。蘭とコナンも一緒だ。 ところがなかなか花岡が来ない。

花岡はそのころ愛人の蝶野のマンションにいた。蝶野はイラストレーターでもあって、花岡の作品の半分以上を描いていた。 そのことを世間にばらすと言われて、思わず花岡は蝶野を殴り殺してしまう。

だいぶん時間が経ち、事務所に無言電話がかかってきた後で、花岡が現れる。少しして、事務所の花岡に蝶野から電話があり、 これから飛び降り自殺するという。窓から蝶野のマンションを見ると、蝶野が転落していった。

コナンは、花岡が犯人だと確信し、死体を落とすトリックを見破った。それは、死体をベランダに釣り糸で吊った上、布団で覆い、 玄関のドアを開けると死体が落ちるようにする仕掛けだ。バイク便の人が指定した時間に来るように手配して、玄関ドアを開けてもらって 死体を落としたのだ。証拠となる釣り糸は、排水口に落ちるように仕掛ける。最初の無言電話は、花岡が蝶野のマンションからかけたもの。 次の蝶野からの電話は、花岡が事務所のトイレから蝶野の音声の録音を使ってかけたものだった。

倒叙もの、メインは離れたところにある死体を落とすトリックを見破ること
13大怪獣ゴメラ殺人事件8 逃亡者、9 怪獣ゴメラの悲劇、10 去りゆく後ろ姿
  • 三上大輔:映画監督
  • 安達僚太:美術
  • 松井秀豪:着ぐるみを着てゴメラを演じている俳優
  • 坂口友美:女優、ゴメラシリーズでは妖精役
  • 亀井修:映画プロデューサー

阿笠博士のつてで、少年探偵団と阿笠博士は、大怪獣ゴメラの撮影の様子を見学させてもらう。 ゴメラシリーズを今年限りにすると決めたプロデューサーの亀井が現れたので、撮影現場は不穏な雰囲気になる。

皆はこれから試写を見るということで、ゴメラ俳優の松井が少年探偵団を案内して撮影所を見せて回る。 松井が小道具を取りに行く。しばらくして、松井の悲鳴が聞こえたので、少年探偵団はその場に駆け付ける。 すると、ゴメラに右太腿を刃物で刺されたという。少年探偵団がゴメラを追って行くと、そこはスタジオで、 亀井がいた。すると、ゴメラが現れて、亀井を刺殺する。少年探偵団は、ゴメラの足跡を追って行き屋上まで行ったが、 そこにゴメラはおらず、地面で着ぐるみが燃えていた。

コナンが、阿笠博士の口パクで推理を披露する。犯人は松井だった。最初に刺されたかに見えたのは演技で、 実際はその後でゴメラの着ぐるみを着て亀井を刺した。屋上へ続く足跡は予めつけてあったもので、 実際は階段の踊り場で着ぐるみを脱いで階下に行き、着ぐるみを燃やして放り出したのだった。 それが終わってから自分の腿を本当に刺したのだった。動機は、亀井が作り話までして、ゴメラシリーズを 終わりにしてしまったことだった。

犯人のケガの自演トリック
14追いつめられた名探偵! 連続2大殺人事件[1]1 写真があった!!、2 電話の数字、3 事件はこれから!?
  • 九十九七恵:依頼者、元康の妻
  • 九十九元康:有名マジシャン、1週間前に死んだ
  • 真田一三:元康の弟子
  • 三好麻子:元康の弟子
  • 百地裕士:元康の弟子
  • 九十九文乃:元康と七恵の娘
  • 木之下吉郎:元康の弟子、14年前に練習中事故死

九十九七恵が1週間前の夫の死について調べてほしいという。アコニチンという毒で死んだのだが、 自殺なのか他殺なのかわからない。他殺なら、容疑者は3人の弟子だ。

平次と和葉が毛利探偵事務所にやってくる。

電話に暗号でダイイングメッセージが残されていた。コナンはそれを「DCマコ」だと解読した。 すなわち、犯人は三好麻子で、それがダカーポのように殺人を繰り返すという意味だった。 犯行の動機は、兄の木之下吉郎を、元康がその才能を妬んで昔事故死を装って殺したことだった。

事件の途中、蘭がコナンが工藤新一であることに気付いてしまう。

ダイイングメッセージの解読
14追いつめられた名探偵! 連続2大殺人事件[2] 4 落ち葉の中の尋問、5 母さんの胸の中!?、6 コナンの笑み…、7 有希子の笑み…、8 もう一人の…
  • 籔内広美:有希子の同級生
  • 籔内義房:広美の叔父
  • カルロス:籔内義房の友人
  • 籔内義親:先月病死
  • 籔内秀和:広美の夫(婿養子)
  • 籔内義行:広美の弟
  • 籔内敬子:義行の妻
  • 籔内真知子:義親の後妻
  • ヒクソン田中:カルロスのボディーガード

工藤有希子のおかげで、コナンは蘭の追及を逃れる。

有希子はコナンを連れて、友人が住んでいる群馬県の田舎の屋敷に行く。その友人の籔内広美は、 ブラジルから来た叔父の義房という人が本物かどうか調べてほしいという。先月病死した父親の義親の遺産相続の問題があるからとのこと。 義房には、ブラジルから帰ってくるなという脅迫状が送られてきたという。

真知子が友人の結婚式の二次会に出かける。夕食が終わって、義房が最初に風呂に入りに行く。 次に、敬子が入りに行こうとしたとき、広美の悲鳴が聞こえる。怪しい人物がいたらしい。 外に出たコナンは、井戸の桶がおかしなところにひっかかっていることに気付く。引き上げてみると、 真知子の死体が吊られてていた。刺殺だった。彼女が乗って言った車は、なぜか裏の林の中にあった。

義親の遺言の発表をする場で、ボウガンの矢が義房とカルロスのところに飛んでくるが、間一髪のところで逃れる。

コナンは、初登場の山村刑事に麻酔銃を撃って推理を披露する。まず、ボウガンを仕掛けたのは敬子だった。 義房を脅してブラジルに帰ってもらおうと思ったのだった。次に、真知子を殺したのは義房だった。 真知子は、二次会から早く帰ってきて、風呂に行く義房を刺すつもりだった。ところが、義房は ブラジリアン柔術の使い手だったので、逆に手をひねられて、真知子の方が刺されてしまったのだ。

ここまで推理を披露した時、何度か出てきた怪しい人物が「まだまだ甘いな…」という言葉とともに登場する。 工藤優作だった。優作は、カルロスが義房の子で、義房を名乗っていたのがボディーガードのヒクソン田中だと 正しく言い当てた。

ボディーガードということになっていた人はボディーガードされた人、殺された人は殺人を企てていた人
14, 15スキーロッジ殺人事件 9 奇妙な集まり、10 最後の客、1 ない!?、2 消えた凶器、3 涙で語る真実
  • 米原晃子:杯戸小学校教諭(蘭と園子の元担任)
  • 下田耕平:杯戸小学校教諭
  • 坂井隆一:杯戸小学校体育教諭
  • 中村実里:杯戸小学校養護教諭
  • 杉山:杯戸小学校音楽教師
  • 森敦士:新聞記者

蘭、園子、コナンがスキーに来ている。蘭と園子が男二人に声をかけられた直後、小学校の時の米原先生に声をかけられる。 男二人は米原先生の同僚の下田先生と坂井先生だった。その後、中村先生も紹介される。 4人の先生は蘭と園子を貸別荘に誘う。

貸別荘に行くと吹雪になったので、蘭、園子、コナンも泊まることになる。ただし、来ているはずの杉山先生が 来ていない。新聞記者の森敦士が玄関に現れる。吹雪なので、彼も泊まることになる。森は、3年前に小学校で起きた 何かの事件を追っているらしい。

園子がシーツ運びをしていると、不審な音がした。その部屋に行ってみると米原先生が倒れていた。 園子が近寄ると、後ろから何者かに麻酔を嗅がされ、首を絞められた。そこに園子の悲鳴を聞いた蘭とコナンが駆けつける。 米原先生は起き上がったものの、園子は麻酔で眠っている。米原先生は何者かに襲われたと言う。

夕食の時、呼び鈴が鳴ったので玄関に行ってみると、杉山先生の遺体が倒れてきた。絞殺されていた。 死後硬直していたので、殺されたのはだいぶん前のようだった。下田先生が急に怖がって部屋に閉じこもる。

3年前の事件というのは、バレー部の望月美奈子という女子生徒の首吊り自殺だった。その情報をコナンが 阿笠博士から聞いているとき、中村先生の悲鳴がした。2階に行ってみると、下田先生が絞殺されていた。 しかし、凶器がどこにも見つからなかった。

コナンは、イヤリング型携帯電話を使って、新一の声で推理を蘭に伝えて、蘭に推理を言ってもらうことにする。 犯人は米原先生だった。杉山先生の遺体に呼び鈴を押させたのは、タコ糸と輪ゴムを使った仕掛けだった。 杉山先生と下田先生の絞殺に使った凶器は、カツラの髪だった。園子が見た倒れていた米原先生は、杉山先生の死体に 自分のカツラと服を着せたものだった。動機は、望月美奈子の敵(かたき)を取ることだった。 望月は自殺したのではなく、不正入試にからんでいると望月に知られた杉山先生と下田先生に殺されていたのだった。